「かき船問題を考える会」第7回総会
10月8日の午後2時から、中区袋町の「ひと・まちプラザ」研修室で、「かき船問題を考える会」第7回総会が開催されました。
「かき船問題を考える会」は、2014年の11月に「かき船かなわ」が、平和大橋下流から世界遺産原爆ドームの南約200メートルの元安橋下流に移転する計画が明らかになり、この移転計画に反対する市民によって翌2015年1月に結成されました。かき船が、現在地に移転して以降も、撤去を求めて様々な活動を行ってきましたが、今後この目的を達成することは、困難と判断し、第7回総会を持って解散することになりました。
総会には、15名の参加があり、全員が思いを語り、今後もそれぞれの場でヒロシマの運動を継続することを確認しました。
総会資料の前書きとして「『かき船問題を考える会』解散にあたって」を書きましたので、少し長いのですが全文紹介します。
「私たちは、広島市が中心となって進める原爆ドームバッファゾーンへの「かき船」移転は、負の世界遺産である原爆ドームの景観を著しく阻害するものであり、その移転計画を中止させ、原爆ドームの景観を保護しなければならないとの思いを共有する市民が結集し、2015年1月、『カキ船問題を考える会』を結成しました。以来7年10カ月余りにわたり、初めて出会う人も多い中で、一人ひとりの会員が知恵を出し合い、共同の行動を積み重ねてきました。
残念ながら、私たちが望む『かき船の移転を中止させる』ことは実現できませんでしたが、この活動を通じて「世界遺産原爆ドームは、どんな役割を果たしているのか、果たすべきなのか」を市民に問いかけ、将来にわたって原爆ドームをどう保存・保護していくのかという基本的な問題を提起することができたのではないかと思っています。そして何よりも広島市の平和行政は、どうあるべきかを考える場となったと言えます。
私たちが、原爆ドームのバッファゾーンへの『カキ船移転』を知ったのは、残念ながらすでに多くの手続きが終えられた後でした。その意味で、当初から非常に困難な運動を強いられることになりました。しかし、私たちは、その節目節目で、創意・工夫を重ね、様々な活動を展開しました。
とりわけ、私たちが呼びかけた署名活動に多くの賛同が得られたことは、市民の関心の高さを示したものと言えます。また、私たちの活動や働きかけは、多くの賛同を呼び起こすことになり、日本イコモス国内委員会の懸念表明や広島弁護士会の会長談話、日本被団協と両県被団協の3者の共同声明などを発表していただくことができました。
こうしたすべての皆さんのご協力、ご理解に改めて感謝申し上げます。
また、カキ船の移転強行実施後には、会員を中心に『移転許可の停止を求める』裁判も行いましたが、2019年12月最高裁が、私たちの上告を棄却するとしたことにより、残念ながらこの道も閉ざされました。
その後も、『署名活動』を継続するなどの取り組みを続けてきましたが、これまでの取り組みの経緯かを考えると、残念ながらこのまま活動を継続しても「かき船の撤去」を求めることは困難であると考え、『カキ船問題を考える会』を解散することとしました。
私たちが、この会を通じて訴えてきた『広島市の平和行政のありよう』には、その後も様々な問題が惹起しています。その意味では、『カキ船問題を考える会』が提起してきたことは、広島市の平和行政はどうあるべきなのかという問題提起のきっかけの役割を果たしたと思っています。
広島市の平和行政が、つねにあの日に起こった広島の実相を原点に据えたものにしていくためには、私たち広島市民一人ひとりが、その責任を果たさなければなりません。
『カキ船問題を考える会』は、会としての活動は停止することになりますが、真の広島市の平和行政を作るための私たちの役割は、今後も続くことになります。
会員のみなさん、今後も一人ひとりの市民として『ヒロシマ』の役割を果たす広島市を作るための活動を続けていこうではありませんか」。
その後に集まった8千筆余りの署名は、近日中に広島市に提出する予定です。
ご支援、ご協力をいただいた皆さんに改めて心からお礼申し上げます。
いのちとうとし
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