「不思議な石碑」の顛末―その2
少し間が空きましたが、22日の「不思議な石碑の顛末―その1」のつづきです。
まず同じ被爆地長崎から贈られたナンキンハゼとアジサイです。
ナンキンハゼは、今年8月に根元から倒れてしまったようです。広島市から提供を受けた、2018年度(平成30年度)に撮影された元気だったころの写真です。
このナンキンハゼは、長崎で戦争を否定し、あらゆる核兵器の使用を許さない人道主義の立場を貫いて活動を続ける長崎青年団が、広島市と長崎市が平和文化都市提携を行った1975年8月5日に先立つ7月14日にアジサイとともに贈った木です。
40年余りたっていますので、ずいぶんと大きな木に成長しています。
私が最初にこの石碑と木がなくなっていることに気付いたのは、9月20日でしたが、2度目に訪れた9月22日には、小さな芽が出ているのに気づきました。
そのため、事前に「ナンキンハゼは新たな苗木を植えかえるのではなく、根元から生えているひこばえを育てるのでしょうか」と問い合わせていました。広島市も同じ考えだったようです。山本さんの話は、「ナンキンハゼは、当初苗木を植えかえる計画をしていましたが、残った根の部分からひこばえが出ているのを見つけましたので、ひこばえを育てようと思っています。」とのことでした。
そのためでしょう、根の周りはカラーコーンで人が入らないように保護されていました。
昨日、改めて現地を訪れるとひこばえがずいぶんと大きくなっています。一月ほどでこんなに大きくなっていましたので、ちょっとびっくりしました。
樹木の「いのちを守ろう」とする本能のようなものを感じました。
山本さんのアジサイの話には、びっくりしました。
「アジサイもナンキンハゼと同じ時に5株寄付を受けたのですが、この5株は、平成6年度(1994年度)に中央公園にある青少年センター入口東側緑地帯に移植さ、現地で現存していることを確認しています。」ここで見ることができないはずです。
青少年センターの緑地帯にあるアジサイのことは、2019年9月19日長崎から贈られた紫陽花: 新・ヒロシマの心を世界に (cocolog-nifty.com)のブログで紹介しています。そこに建てられていた石碑には、1975年8月5日に長崎青年団から贈られたことは書かれていたのですが、最初は平和公園内に植えられ、その後現在の場所に移植されたことは全く触れられていませんので、そんな経緯を知る由もありません。ですから、山本さんの話を聞いた時、思いもかけないことでしたので、ただただびっくりしました。
2019年9月12日の写真です。
場所は移りましたが、アジサイは寄贈されて以来枯れずに毎年花を咲かせ続けているようです。
最後は、峠三吉の碑のバラです。
もともとは、ツルバラ3本が、峠三吉記念碑建設委員会から1963年8月6日に寄贈されたものです。元気だった2017年に撮影された写真です。
何時頃枯れたのかは、聞き洩らしましたが、現在植わっている1本は、広島植物公園で育っていた苗木を今年2月に植栽されたものです。
このバラはマーメードというツルバラで、植物公園には植栽できる大きさの苗木1本しかなかったため、その1本をとりあえず植栽したそうです。後の2本については、植物公園の大きくなっている木の枝を採り、現在広島バラ園(廿日市市)で育てられていますので、いずれ元のように3本が植えられることになると思います。その時には、棚一杯にきれいな花が咲くことでしょう。
山本さんのおかげで、広島市が寄贈を受けた樹木を大切にしていることを知り、私の疑問も解決することができました。
いのちとうとし
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