新作が並ぶ「原爆の絵画展」に行ってきました。
広島市立基町高校普通科創造表現コースの生徒たちが、15年前から毎年、原爆被害の実相を後世に伝えるため被爆体験証言者とともに取り組んでいる「原爆の絵」の展覧会が、今月7日~19日までの会期で広島国際会議場地下2階ダリアで開催されています。
今年の展覧会には、今年完成した16点の新作(うち11点は、今年7月に完成)を含む57点の作品が展示されています。
作品のスタートは、新作の「原爆の炸裂の瞬間」を描いた作品です。
その他にも、新作が並んでします。
左の作品のタイトルは「金庫の中で死んでいた」です。8月6日の夕方大須賀町の様子で、キャプションには、「金庫の中に入いれば助かると思ったのか。人間が炭のようになって死んでいた」と書かれています。右の作品のタイトルは「ひっくり返った貨車からコメがザーザーと流れ落ちていた」です。これも大須賀町での様子です。いずれも証言者は、早志百合子さんです。作者は、左の作品が平田真弓さん、右の作品が益田彩可さんです。お一人の証言から、二つの作品が生まれました。
切明千枝子さんの証言をもとにした新作が続きます。「お母ちゃんを探して」です。
「つまずいたのは炭化した幼児だった」です。
「原爆の絵」の展示方法について、7月19日のブログ「原爆の絵」原画展に行っていました: 新・ヒロシマの心を世界に (cocolog-nifty.com)で、「描かれた場所ごとに展示するのも一つの方法ではないか」と書きましたが、今回の作品は、時間の経過ごとにまとめて形で展示されていました。
「原爆の炸裂の瞬間」からスタートします。「原爆の炸裂の瞬間」を描いた作品は、1点だけです。次は「原爆投下直後」を描いた作品7点。さらに「避難途中に見た原爆被害」33点と続きます。避難途中で見た原爆被害の様子が強く印象に残っているのでしょう、作品も一番多くなっています。その後「原爆投下翌日の光景」3点、「原爆投下から数日後」10点、「戦後の生活と広島の復興」3点が、順番に並んでいます。
ですから今年は、最初に紹介した作品のように所々に「順路⇒」の表示があります。
これまでに182点の絵が描かれていますが、今回展示されている作品は57点ですので、被爆体験証言者全員の証言を描いた作品が展示されているわけではありません。そのためでしょうか、これまで協力された被爆体験証言者32人全員の名前を紹介するポスター一枚も展示されていました。
毎年この展覧会を見に行っていますが、いつも見に来てよかったと思わせてくれる作品の数々です。
最終日の19日まであと三日、毎日午前10時から午後5時まで入場することができますので、ぜひ一度会場を訪れ、高校生の力作を見てほしいと思います。
いのちとうとし
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