伝えていく役割り
被爆77周年の、やっぱり多忙だった時間が終わりました。「そうなんだ!」と認識したのですが、明治維新から77年で原爆投下・終戦があり、そこから今年が77年という年なのですね。
この度の一連の行事に参加してもっとも思ったのは、僕たち世代の者の伝えていくことの役割りということでした。6月にウイーンで開催された核兵器禁止条約第1回締約国会議での若い人たちの活躍、今年の広島でも数多くの行事で若い人の元気な姿があり、とても力強く感じました。
8月5日は、朝早くから平和公園で碑めぐり案内のガイドをしました。普通は小中高の修学旅行生へのガイド役が多いのですが、この度は労働組合員の人たちでした。全国から参加した50名を、5人のガイドで担当しました。組合員の人たちも若い人の参加がほとんどで、初めて平和公園に来たという人も多かったです。若い視線で熱心に聞いてもらい質問もたくさん出て、とても充実した時間でした。
この日の午後は原水禁大会ひろば企画、「戦争とヒバクの今を考える!」という集まりの進行役を担いました。この中で「核政策を知りたい広島若者有権者の会」から、「核兵器なき世界へ一人ひとりが行動を」というタイトルで若い目線での話しをしてもらいました。
その場で思ったのですが、私たち世代の話しが解りやすく若い世代の人に伝わっているだろうかという、自らへの反省を込めたものでした。なんといっても私たちの話しは、専門語が多すぎるということだと思いました。特に核問題は専門語が多すぎます。「アルプス汚染水」「フクイチ」「デブリ」「ジーセブン」等など、私たちは当然解っているものだと思って使っていますが、この意味をきちんと理解していないと、続きの話しが理解出来なくなります。
私たちの話しを聞いてもらい、そこから聞いたことを拡散して伝えていってもらう役割りをお願いするのならば、心に響く、自分事になる言葉を使うことを最大限心がけることではないでしょうか。
そして誉めることの大切さを感じました。まず話した人の眼をしっかりと見て大きな拍手をする、励ましになる意見や感想の言葉を掛けることではないでしょうか。私たち世代が高齢化していく中では、どうしても若い世代に頑張ってもらわないと困るのですから。
この「若い」というのは単に年齢だけでなく、原水禁大会に初めて参加した人たちも同じだと思いました。
8月6日は市主催の式典に参加しました。コロナ禍で参列人数の制限が行われていますが、今年は安倍晋三元首相の銃撃事件があった関係で、入口では持ち物だけではなく、金属探知機でのチェックも行われました。グテーレス国連事務総長のあいさつは、とても心に迫りました。
国連広報センター
核兵器禁止条約について「希望の光」と述べ、核兵器保有国は、核兵器の「先制不使用」を約束しなければなりませんと言ったことです。
岸田さんのNPT(核拡散防止条約)の会議での発言、広島のあいさつを聞く限り、この問題での外務省見解を一歩も変える気持ちはないようですね。これなら来年のG7広島サミットも期待できませんね。「世界の指導者の人たち、広島・長崎を訪れ、被爆の実相を知ってほしい」などと、これまで発信してきた者として「開催反対」とはいいませんが、しっかりと「ヒロシマの心」というか「ヒロシマの思想」を、伝える場、形を作らなければならないと思いました。
式典の後は、メルパルク広島で開催された広島県被団協の慰霊式に手伝いを兼ねて参加しました。例年ではこの時間、中国電力本社前の反原発集会に参加するのですが、被爆者の高齢化いう状況の中で、式典と慰霊式への参加を選びました。
あと23年したら被爆100年という年となります。僕も生きていたら96歳です。出来るものなら、「100年のヒロシマ」を見届けたいものです。
木原省治
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