安倍元首相の死と参議院選挙の最終日-選挙の意味を考える
投票日まであと二日となった昨日、選挙の応援演説を行っていた安倍元首相が、暴漢による銃撃によって命を奪われました。心から哀悼の意を表します。暴力によって命を奪う行為は、絶対に容認できません。
こうした中で、今日は、6月22日に公示された参議院選挙の最終日を迎えました。
この選挙で与党が勝利すれば、3年間は国政選挙がないともいわれていますので、参議院選挙としては、今まで以上に重要な意味を持つ国政選挙といえます。
選挙のたびに増えている期日前投票を済ませた人は、今回も3年前よりも伸びているといわれています。ちなみに、3年前の期日前投票をした人は、全有権者の16%にあたる1706万人余りでした。
期日前投票は今日まで行うことができますが、最終的にはどこまで延びるかです。
ただ、期日前投票が伸びているにもかかわらず、前回戦後2番間に低かったといわれる投票率は、今回もほぼ同じではないか、天候次第でさらに低くなる可能性すらあるといわれています。
昨日、上の写真を撮りに中区役所を訪れた時、珍しい光景を目にしました。
現場で立ち会っている選挙管理委員会の担当者の話によれば、投票所に届けられる扇風機です。広島市中区の投票所は、23カ所ですが、冷房装置が完備されていない投票所に設置するためのものです。中区で約100台準備したとことで、いまトラックに積み込まれているのはコースごとに配布されるその一部です。
政策論争といえるのか
話をもとに戻します。問題は、急速な物価高や低迷を続ける賃金問題、少子化対策など、身近な問題が争点であるにもかかわらず、なぜ有権者が投票に行こうとしないのかです。
その原因の一つは、明確の各党の政策の違いがないからだと思っています。
特に奇妙に感ずるのは、口をそろえて「給料を上げる」という政策です。でも、なぜか「なぜ20年間も実質賃金が下がり続けるのか」「安倍政権の下でも繰り返し『賃上げ』が言われ続けたにもかかわらず、実現できなかったのか」、その根本原因を解明する主張を聞くことはできません。このことを明らかにしなければ、いくら「賃金を上げる」と言われても素直にうなずくことはできません。
有権者がいまひとつ政治に期待しないのは、こうしたことにも原因があるのではないかと思います。国会が、こうした問題に対し厳しい論戦をすることなく、耳当たりの良い政策のみを主張している限り、政治への関心と期待はますます遠ざかるばかりです。
選挙戦最終日の今日は、県内最大の大票田である広島市内に候補者が集中することになり、各候補陣営にとって街頭演説の場所取りに苦労することになると思います。
候補者には、最後まできちんと政策を訴えて、有権者の政治への関心を高める努力をしてほしいと思っています。
昨日の選挙活動を自粛していた自民党も今日の選挙活動は実施することとなったようです。
選挙は、民主主義を守るために絶対に必要なことです。今回の暴挙は絶対に許すことのできない行為ですが、このような卑劣な暴力行為があったからこそ、民主主義を守るためにも選挙活動をきちんと続けることは当然のことです。
私は、選挙の最終日、選挙区三上候補のマイク納めに行く予定にしていましたが、昨日の夕方段階で「中止する」との連絡がありました。この原稿を書いている時点(午前0時30分)では、この予定が生きていると思われますが、選挙事務所でもその後改めて最終日の行動が協議されて決められるはずです。どのような決定になろうと、選挙事務所の判断ですので尊重しますが、私は、暴力に対抗するためにも選挙活動は予定通り最後まできちんとやり通してほしいと思っています。
それにしても異様な雰囲気の中で迎える選挙最終日になりました。
いのちとうとし
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