G7サミットで核保有国と非核保有国との橋渡し?
最近の「G7サミット広島開催」のローカルニュースの中で、気になることを耳にしました。
「G7サミットには、核兵器保有国が3カ国、非保有国が3カ国(日本を除いての意味だと思うが)参加する。岸田首相は、常々『日本政府は、核兵器保有国と非核兵器保有国の橋渡しをする』と言っているので、このG7サミットでそのことを実現してほしい」
私の聞き間違いであればよいのですが。これを聞きながら、ちょっと待ってくださいと言いたくなりました。それは、現在のG7サミットの参加国の核兵器状況を見ると、単純に核兵器保有国、非核兵器保有国と割り切ることはできない現実があるからです。
確かにG7サミット出席国で、核保有国とされているのは、アメリカ、イギリス、フランスの3カ国だけです。
しかし、最近の日本国内の「核共有」発言でも例示国として紹介されていますが、ドイツは核保有国ではありませんが、2009年11月現在(今もそのままこの政策は継続していると思います)、同じG7の国イタリア、そしてベルギー、オランダ、トルコなどと共にNATO加盟国としてアメリカの核兵器を受け入れている国です。
まさに核共有(ニュークリア・シェアリング)国です。もちろん、配備されているのはそれぞれの国にある米軍基地ですが。
これは、NPT条約(核拡散防止条約)に違反することは明確ですが、とりあえず今日はそのことはおくことにします。
問題は、こうしたドイツやイタリアを「日本政府が橋渡し役をするための非核兵器保有国」として考えてよいのかということです。私の考えは、当然NOです。
日本政府の言う「核保有国と非核保有国の橋渡し」の対象となる非核兵器保有国は、核の傘や核抑止論に頼っていない国々のことでなければならないはずです。それらの国々こそ、核兵器禁止条約の成立に努力し、国連での同条約採択に賛成し、そして進んだ国では署名・批准を行い、真に核兵器の廃絶を願い、活動をしているからです。
来年のG7サミット広島開催が決まり、被爆地出身の岸田首相を「よいしょ」するあまり、この国際社会の現実に目をつむった報道があってはなりません。
私は、G7サミットに賛同しているわけではありません。しかし、広島で開催するのであれば、核保有国の首脳のみならず、核兵器禁止条約への署名批准を拒否している他の出席国3カ国の首脳も同様に広島の原爆被害の実相にしっかりと向き合うような日程が組まれるべきです。多くの広島市民が期待しているのは、そうしたことが目に見えるG7サミットの広島開催だと思います。
そのことを繰り返し情報発信する事こそが、広島のマスコミの役割だと思っています。
いのちとうとし
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