ヒロシマとベトナム(その32-1)
少数民族の子どもたちへの奨学支援
クアンチ省の少数民族寄宿高等学校に学ぶ子どもたちに奨学支援を始めて14年目、現在、今夏入学予定の「第14期奨学生」を支援していただく「第14期サポーター」、20名を募集しています。支援金額は、月1,500円(一日当たり50円)=年間18,000円の奨学金を2025年の卒業までの3カ年(合計54,000円)支援していただくもので、基本、年単位で振り込んでいただいています。
これまで260名の子どもたちを支援し200名が卒業。現在、第11期(3学年)・第12期(2学年)・第13期(1学年)の60名が勉学に励んでいます。下のグラフは少し古いですが2018年までに卒業した140名の進路です。
卒業生の進路
大学進学が69名と最も多く57.1%、政府機関で働くための専門学校や人民公安短期大学などを含む専門学校が10名で7.1%。就職が同じく10名、韓国で働く1名を除きホーチミンなど南部地域で就職しています。大学進学の殆どが国立および公立が占めているのは、学力優秀かつ学習態度や生活態度が良いにもかかわらず、経済的困窮のため高等学校に進学できない子どもたちが選ばれていますから、みな優秀です。ちなみに奨学生は少数民族の村役場が推薦し、クアンチ省の教育訓練局(日本の県教育委員会に当たる)が決定します。
その基準は、1)成績が優秀、2)家庭の理解、3)品行方正、4)クラスや学校に好影響をもたらす子どもとされています。いくら成績が良く品行方正であっても、貧困に喘ぎ子どもを貴重な労働力とせざるを得ないのが少数民族の暮らしです。ですから、家庭の理解がなければ寄宿高等学校に入れません。
暖かいサポーターに支えられ14年
奨学生とサポーターが期毎に「サポート縁組」を結びます。これまで(第1期~第13期)の260名を支援していただいたのは235名。内訳は男性141名、女性82名、法人・団体12名です。
〔260名の奨学生に対しサポーター235名? ・・・・・〕 そう、充足していません。
不足分は基金を充当しながら何とか継続していますが、「コロナ禍」の影響もあり、サポーター登録が定数に達せず課題になっています。
下表とグラフはサポーターの地域分布です。県内14市町に加え島根県や遠く長野県からも寄せていただいています。サポーターのほぼ半数は広島ベトナム平和友好協会(HVPF)が事務所を置く東広島市と2番目の広島市を加え7割です。
サポーターの平均年齢は62.8歳、年金生活者が61%とほぼ3分の2を占め、働いている人が32%、自営・法人関係が7%です。
明日は、サポーターから小学生へのメッセージを紹介します。
(2022年6月5日、あかたつ)
【編集者】「ヒロシマとベトナム32」は、あかたつさんの了解を得て、明日つづきを掲載します。
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