第15代高校生平和大使(2012年)の論文
第25代高校生平和大使の募集が、5月6日を応募締め切りとして開始されました。6月5日の選考委員会で今年の高校生大使が決まりますが、例年のとおり、広島県内では3名が選ばれることになっています。今年も多くの高校生に応募してほしいものです。
高校生平和大使の活動は、これまでもマスコミなどによって報じられてきましたが、今日は一人の高校生平和大使のその後の活動について、紹介したいと思います。
その元高校生平和大使は、2012年に神奈川県で選出された第15代高校生平和大使の相原由奈さんです。
その相原さんから、一週間前の13日に次のようなメールが届きました。
「東京外国語大学の大学院で在ブラジル原爆被爆者の研究をしております、相原由奈です。いかがお過ごしでしょうか。
この度、在学している大学の研究所が発行している雑誌に論文を掲載していただきました。
予算縮小で現在は電子版しかない、読者もそこまで多くない雑誌ではありますが、やっと論文を一つ世に出すことができました。ネット上で公開されており、無料で閲覧できますので、拙い論文ではありますが、ご高覧いただけますと幸いです。」
相原さんは、昨年の被爆76周年原水禁大会の分科会「在外被爆者と日本の戦争責任、その歴史認識問題について」で講師を務めていました。相原さんの報告テーマは、「ブラジル在住被爆者に関する報告」でした。
大会資料集でそのことを知った私は、「どうしたブラジルの被爆者のことを研究することになったのか」を知りたくて、すぐに相原さんに連絡を取り、ホテルまで会いに行きました。
森田隆・綾子さん夫妻によって2001年に発刊された本
「なぜ、ブラジルの被爆者のことをテーマにしたのですか」と問うと「高校生平和大使の活動をしている時、ちょうどヨーロッパを訪れておられた『ブラジル被爆者平和協会』の森田隆会長とお会いし、ブラジルにいる被爆者の話を聞きました。その出会いをきっかけに、2017年と2018年にブラジルを訪問し、聴き取りを始めました。それから現在までブラジル在住被爆者の皆さんの協力を得ながら、研究を行っているのです。その研究結果を論文にするため、いまがんばっています。」との答えでした。
その研究結果が、今回の論文「ブラジル及び南米在住被爆者と医療援護―立ちはだかる『境界線』の壁―」となったのです。
相原さんの論文は、「掲載誌一覧: 東京外国語大学学術成果コレクション (tufs.ac.jp)」の『クァドランテ』第24号のpp.237-254に掲載されていますので、だれでも読むことができます。
早速私も読みましたが、学ぶことの多い論文でした。そして何よりうれしかったことは、高校生平和大使の活動が、被爆者問題の研究となって継続し成果を上げていることでした。
今年は、高校生平和大使派遣25周年の記念事業が計画されています。相原さんの論文を読みながら、これまでの様々な高校生平和大使としての活動を振り返ることも大切だが、歴代の高校生平和大使のその後の活躍ぶりも紹介できる記念事業となればよいと思っています。
いのちとうとし
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