チェルノブイリデー座込み
世界を震撼させた旧ソ連チェルノブイリ原発事故が発生して36年目を迎えた昨日、午後0時15分から広島県原水禁が呼びかけた「チェルノブイリデー座込み」を実施ました。
チェルノブイリデーの行動は、事故が発生した翌年の1987年から毎年この日をチェルノブイリデーとして座込みや講演会などを実施してきました。座込みは、コロナが拡大した2020年を除いて毎年実施しています。
今年は、2月24日に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵略によって、廃炉となっているチェルノブイリ原発が、ロシア軍によって一時占拠されるという異常な事態を経験しての座込みとなりました。
それは、原発が事故だけでなく軍事行動によって非常な危険な状態にさらされるという事実を私たちの教えることになり、原発の安全性が根本から問われることを意味しています。
被爆者の箕牧智之さんのアピールの後、村主公夫さんが提案した下記のアピールを全員で確認し、最後の慰霊碑に向かって黙祷をして30分間の座込みを終了しました。
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「4・26チェルノブイリデー」アピール
チェルノブイリ原発事故から36年が過ぎました。事故を起こした原発は、放射性物質の飛散を防ぐための巨大なシェルターに覆われるなどの対策が続いていますが、廃炉に向けた具体的なめどは立っていません。
この中で、世界を震撼させる出来事がロシア軍によって引き起こされました。チェルノブイリ原発事故で、被曝し、住む場所を追われた人々が、今度は命を奪われ、再び故郷を離れることを余儀なくされています。私たちは、一日も早い停戦により再びウクライナに平和が訪れることを強く求めます。
またこの軍事侵略ではチェルノブイリ原発を含めたウクライナ国内の核施設が、軍事侵攻の標的となりました。原子力発電所がいかに危険なものかを改めて教えています。核兵器の使用・威嚇発言はもちろんのこと、核物質は兵器であるか否かを問わず軍事的にも大きなリスクをもたらすものであることが明らかになりました。
一方、「チェルノブイリのような事故は起きない」と宣伝され続けた日本でも、2011年3月11日、福島第一原発でチェルノブイリと同じレベル7の事故が引き起こされました。11年を経た今も、メルトダウンによって溶け落ちた核燃料の取り出しは全く手つかずの状態であり、避難住民の帰還は進まず生活再建は依然厳しい状況にあります。
この中で、政府はあろうことか多くの県民・漁業関係者の反対を押し切り、放射能汚染水の「海洋放出」を決定する一方、再び原発政策を推進し再稼働を強行しています。加えて、「2050年の脱炭素社会」実現へ、原発の再稼働・新設を利用することも十分考えられるだけに、その動きも注視する必要があります。
私たちは、チェルノブイリを、そして福島を、原発事故被害者の痛みを決して忘れてはなりません。世界はその現実に向き合うとともに戦火による新たな脅威も想定し脱原発への歩みを加速させなければなりません。
「核と人類は共存できない」。新たなヒバクシャを作らせないためには、「核絶対否定」の道しかありません。
私たちは、人類史上はじめて原子爆弾の惨禍を被ったヒロシマから訴えます。
◆ロシアは、直ちに軍事侵略を停止せよ!
◆チェルノブイリ原発事故を忘れてはなりません!
◆福島第一原発のような事故を二度と起こさせてはなりません!
◆原発の再稼働・新増設を許してはなりません!
◆新たなヒバクシャを生み出してはなりません!
◆全ての原発被害者への補償と救済を強く求めます!
◆放射能汚染水の「海洋放出」の閣議決定の撤回を求めます!
◆ノーモアヒバクシャ、ノーモアチェルノブイリ、ノーモアフクシマ
2022年4月26日
4.26チェルノブイリデー座込み参加者一同」
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昨日は、あいにくの雨の中での座込みとなったため例年の慰霊碑前から資料館下に場所を移しての実施となりました。しかし、雨にもかかわらず56人の参加がありました。
いのちとうとし
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