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2022年4月25日 (月)

明日4月26日はチェルノブイリ原発事故から36年です

1986年4月26日、旧ソ連時代に起こったチェルノブイリ原発事故、あれから36年です。この事故のことを知らない人も多く、先日も「どんな事故だったの?」と訊ねられました。

それがロシアによるウクライナ侵攻、そしてチェルノブイリ原発が占拠されたという報道がされ、過去の歴史の彼方に追いやられようとしていたことが、大きくクローズアップされてきました。

1986年のチェルノブイリ原発事故、ソ連は当初ひた隠しにしていましたが、欧州で大量の放射能が検出され事故が明らかにされました。事故から1週間後の5月3日、約8千キロ離れた日本でも雨の中から放射能が検出されたのを覚えています。

1991年にソ連が解体し、チェルノブイリ原発はウクライナの原発ということになりました。僕は原発事故から10年目の1996年とその翌年に、チェルノブイリを訪ねました。チェルノブイリから北側に在るベラルーシの首都ミンスクと、ウクライナの首都キエフで、広島・長崎の原爆写真展を開催するのに合わせて行きました。

最初の写真展の場所となったベラルーシの首都ミンスクの3月は、極寒の季節でした。にも関わらず、写真展には多くの市民がやってきました。一番多く聞かれた質問は、「日本は原子爆弾が落とされ、多くの人が放射能障害で苦しんでいる国なのに、なぜ原子力発電所をたくさん造っているのか」という質問でした。当時、ベラルーシは原発の無い国でしたが、チェルノブイリ事故の影響を最も強く受けた地域です。放射能事故に国境は無いということを明らかにしたと思います。

原爆写真展は、キエフでも開催されました。そしてチェルノブイリ原発も見学しました。キエフ市からチェルノブイリまで約100キロメートル、車で2時間位です。ホテルまで迎えのワゴン車が来てくれて、見学代金は昼食代を含めて100ドルだったと記憶しています。

世界中の多くの人から忘れかけられているチェルノブイリ原発が、ロシア軍によって占拠された理由については、今でも放射能の影響で住民が住めない地域になっているため、ベラルーシからの軍隊をキエフに攻め込むのが容易だと考えた作戦ともいわれています。

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チェルノブイリ原発

占拠されたチェルノブイリ原発の状況については、報道が少ないので、詳細は判りませんが占拠したロシア兵が被ばくし、75人前後がベラルーシの病院で治療をしているとか、立ち入り制限区域に隣接する村の住民は、戦争とまた起こるかもしれない原発の恐怖に怯えていたとのニュースを目にしました。

ロシアはウクライナ東部のザボリージャ原発にも攻撃をしましたが、原子炉から約400メートル離れた場所にある施設でした。ロシアも原子炉その物を破壊すると自らが放射能汚染されると恐れたのでしょう。

原子力規制委員会の更田豊志委員長も、原発がミサイルによる武力攻撃を受けた場合のことについて「守りようがない」「(原発が)停止したら直ちに危険度が下がるものではない。武力攻撃では(ミサイルのような)爆発力によって放射性物質が飛散させられる恐れがある」とも指摘しています。

日本の原発の多くは、日本海側に建設されています。日本海側だけが危険ということではありませんが、友好的な関係を持てていない中国、北朝鮮、ロシアなどが取り囲んでいます。

この度のウクライナ戦争は、原発が自らを被ばく者にさせる核爆弾だということを明らかにしたのではないでしょうか。

木原省治

【編集後記】編集者の都合で、木原さん原稿を休止していましたが、今回から再開することになりました。次回以降、以前と同じく毎月10日と25日にアップします。

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