原子力発電からの撤退を求め、中国電力に申し入れ
「フクシマを忘れない!さようなら原発ヒロシマ実行委員会」の呼びかけ人山田延廣さんなど4名が、昨日午前11時半に中国電力本社を訪れ、11日の集会で確認した「島根原発再稼働及び上関原発建設を中止し、原子力発電からの撤退を求る」申入れを行いました。
この申し入れに対し中国電力は、従来の主張「安定的電力供給のためには、原子力発電は必要」などを繰り返すのみで、残念ながら、私たちの望む回答を得ることはできませんでした。
申入れ書の全文を掲載します。
2022年3月14日
中国電力株式会社
代表取締役社長 清水 希茂 様
フクシマを忘れない!さようなら原発ヒロシマ集会実行委員会
島根原発再稼働及び上関原発建設を中止し、原子力発電からの撤退を求めます
日頃から、電力供給のためご尽力されていますことに敬意を表します。
東京電力福島第一原発事故が発生してから11年が経過しますが、同原発での、廃炉作業は全くめどが立っておらず、廃炉行程表も再三改定せざるを得ない状況から、如何に廃炉作業が困難であるかが明白になっています。また、「ALPS処理汚染水」の海洋放出や除染土の再利用を打ちだすなどにより、地元の漁業者はもとより多くの国民の不満や不安を招いています。
福島で起きている現実は、原発がいったん重大事故を起こせば、働く人や多くの住民を被曝の危険にさらすだけでなく、住家を奪い故郷を追われるという深刻な事態を招くことを明らかにしています。そしてこの11年間で改めて明らかになったことは、原発事故は一企業が責任を持って処理できるものでないことです。
今貴社に求められていることは、この「フクシマ」の実態をふまえ原子力発電から撤退することです。それにもかかわらず、貴社は島根原発2号機を再稼働しようとしています。とりわけ、事故が発生した際の避難計画はあまりにずさんであり、実効性に乏しく、再稼働ありきの計画と言わざるを得ません。私たちは今、新たに新型コロナウィルス感染という事態を経験していますが、「3密」を避けながらの避難など、「コロナ対策と事故からの避難」を同時に対応することがいかに難しいかは、昨年の訓練でも明らかになっています。
原発をなくし安心して暮らせることを切望する住民の願いを踏みにじる再稼働は、断じて容認することはできません。
原子力規制委員会も認めているように「原発に絶対の安全」はありません。事故を防ぐためには、原子力発電所を稼働させないこと以外にはありません。すべての原発が停止した状態においても、電力供給は十分にまかなえています。
しかも上関原発計画は、計画が明らかになって以来40年の長きにわたり地域に混乱をもたらしてきました。福島原発事故を見れば一目瞭然のように、豊かな瀬戸内の海を放射能で汚染させるような愚かな選択をすべきではありません。恵みの海を守り続けてきた山口の人々に、貴社がやるべきことは上関原発建設を中止し、一日も早く安心できる暮らしを保障することです。
福島原発事故から11年。私たちは3月11日、被爆地ヒロシマにおいて「フクシマを忘れない!さようなら原発ヒロシマ集会」を行い、改めて原発のない社会の実現をめざして取り組む決意をしました。それは「核と人類は共存できない」という放射能の恐ろしさを知るヒロシマの責務でもあります。
東京電力福島第原発事故が発生して11年目を迎えた今日、集会参加者の総意として、貴社に次のことを要求します。
1.島根原発2号機の再稼働を断念するとともに、3号機を運転しないこと。
2.上関原発の建設計画を白紙撤回すること。
以上
「島根原発再稼働」をめぐる情勢は、11日の集会で島根の代表から詳しく説明がされたように「避難計画など様々な問題がある」にもかかわらず、島根、鳥取の地元自治体が、住民の声を充分に聞くこともなく条件を付けながらですが、「再稼働を容認する」姿勢を示しています。
しかし、危険な原発の再稼働を絶対に認めるわけにはいきません。フクシマを忘れず、今後も粘り強く「島根原発再稼働中止」を求める行動を続ける決意を新たにした、昨日も申し入れ行動でした。
いのちとうとし
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