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2022年1月10日 (月)

22年、原発回帰の音が聞こえる

今年初めての担当となりました。本年もどうぞよろしくお願いします。

 1月4日の新聞に原水爆禁止長崎県民会議副議長の矢嶋良一さんが、昨年末に亡くなられたことが報じられていました。このブログの1月4日版に、「いのちとうとし」さんが詳しく書いておられます。

 矢嶋さんは僕にとっては「兄貴」のような存在でした。ブレない強い意志の中でも、とても優しくたくさんのことを教えてもらいました。よき先輩が亡くなられるのは本当に寂しく、残された者としては不安になるものです。

 さて22年、世界中でも日本国内でも「原発回帰」の音が聞こえてくるような感じです。正しくは原発回帰と、それを止める声との攻防が強まったということでしょうか。

 世界的な動きとしては欧州連合(EU)の欧州委員会が、原子力と天然ガスを脱炭素に貢献するエネルギーと位置づける方針を発表し、1月中にも公表するという動きです。原子力は温室効果ガスを出さない「持続可能」なものだと分類したのです。専門用語では「EUタクソノミー(分類)」というのですが、原子力をグリーンリストに含めたのです。

 原子力依存度が高いフランスやフィンランド、そして現状が石炭火力の割合が高い(約7割)のポーランドが、この方針を強く主張しています。一方では、すでに脱原子力を決めているドイツやフィンランドは反対しています。欧州議会でも、緑の党を中心にした脱原子力勢力の強い反発も起こっています。

Photo_20220109150901

フランス中部の原発(2021.11.10日本経済新聞より)

世界的にもFoEI(Friends of the Earth International)の呼びかけで、1月11日に欧州委員会に対し“「持続可能」でも「グリーン」でもない原発をEUタクソノミーに含めるべきではない”との要請書を提出することになりました。今日1月10日の締め切りで賛同を求める呼びかけが行われています。このEUの動きは、決して遠い外国の話しではありません。日本の原発推進勢力も「悪乗り」「便乗」の動きは起こっています。要請書への賛同は以下のURLで簡単にできます。

https://forms.gle/QimtiLDJymx3d3Kc8

 また米国では、これまで遠ざかっていた高速炉開発の動きが持ち上がり、その開発協力を日本原子力研究開発機構や三菱重工業に求めていることが分かりました。近いうちに日米で覚書を交わすということも明らかになりました。

 日本国内では、どちらかというと脱原発派だった河野太郎さんが自民党総裁選挙で敗れ、大臣や自民党役員が原子力推進派で埋められたことが大きいと思います。

私は電力会社の本音というのが、いまだに確信を持って判断できないのですが、東京、北海道、東北、日本原電、そして中国電力にしても再稼働の動きを強めようとしています。そして40年の運転ルールが覆されようとしていることです。

 24基(1742.3万kW)の原発廃炉が決まりましたが。これらの廃炉から出てくる廃炉解体廃棄物の国内での処理処分のめどが立たない中、廃炉原発の大型の解体物である蒸気発生器、給水加熱器、燃料の輸送貯蔵用キャスクの処理を海外で行おうとする新たな動きも注目です。

米国のテネシー州オークリッジ近くにあるベアクリークの処理施設は、これまでずさんな操業で廃棄物処理が行われたために、世界で最も汚染された地域の一つとされているところですが、そこで日本の原発廃棄物を処理しようとしているのです。もちろん周辺には住民が住んでいて、健康被害も報告されているのです。かつて広島原爆のウランが濃縮されたところでもあります。原爆という核を作った場所が、日本の核によって被害を受けようとしている、こんなことが許されるのでしょうか。

 私たちの中国地方も、島根原発2号機の再稼働に向けた動きが急です。

今年も皆さんに読んでいただけるように、頑張って書いていきたいと思います。

木原省治

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コメント

 木原省治です。私のブログ原稿に間違いがありました。何人かの方からご指摘をいただき、ありがとうございました。フィンランドを原発推進の国にも反対の国にも両方に書いていましたが、改めて整理しておきます。
 原発推進に積極的な国は、フランス、ハンガリーなど。
 原発に反対しているのは、ドイツ、オーストリアなど。
です。
 今後ともよろしくお願いします。

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