核廃絶運動のこれから (3) ―――Wish Listを作ってみよう!―――
核廃絶運動のこれから (3)
―――Wish Listを作ってみよう!―――
被団協の未来を考えることから、平和運動・核廃絶運動が転換期にあり、こうした運動の支え手・推進リーダーだった労働組合の未来も必ずしも明るくはない、という現状を確認しました。
それではどうすれば良いのかを考えたいのですが、私が一人で考えると、高齢化のせいもありかなり狭い範囲で答を探すことになってしまいそうです。それでもこれまでの経験値もありますので、全く無意味だということにはならないのですが、もっと多くの皆さんのお知恵を拝借することで、希望に満ちた展望を描けるかもしれません。
そのために、これからの平和運動や労働組合運動、その他、政治を変革する運動がどうなれば良いのかを、具体的な比喩として考えてみて下さい。「こんな平和運動になれば良いな」とか「こんな労働組合なら、私も参加したい」というような前向きの気持になれる運動の姿を、描いて見て下さい。それを合わせて、新年の「Wish List」、「願い事のリスト」あるいは「夢のリスト」として今後を考える上での出発点にできればと思います。
この試みは、停滞気味ではあるけれどもわたくしたちの社会が民主的で活力に満ち、健全であり続けるためには必要不可欠な市民運動や労働組合運動が新たなエネルギーを得るために行いますので、一種の「思考実験」です。そこから、現在の運動の担い手の皆さんが創造的なヒントを引き出して下さることを期待しています。
創造性の元になるのは、しばしば意外な組み合わせです。ユーモアの源もそんなところにあるのですが、荒唐無稽な比喩で、平和運動の理想的な一面を表現することで新たな材料が見付かるかもしれません。
と、抽象的な御託を並べているだけではイメージが湧かないかもしれません。比喩の力の豊かさのヒントになるかどうかまでは自信がありませんが、一つ実例を挙げて、どのような思考実験を目指しているのか、説明しておきましょう。
《レストラン・マリオと平和運動》
広島の皆さんなら、「マリオ」と聞いて、ゲームのマリオだけではなく、イタリアンの名店の方のマリオが頭に浮かぶはずです。最初の喫茶店が開店してからもう半世紀も続いている上級のイタリア料理店ですが、先日、久し振りに多くのお客さんで賑わっているマリオで食事をして、このレストラン・チェーンが広島にあることで、私自身の生活がいかに豊かになっていたのかを痛感しました。
そこで、「牽強付会」になりますが、「マリオのような平和運動」という比喩で何が表現できるのかを考えてみました。
マリオの強みは、イタリアンの高級路線を提示しながら、トップ層の人たちだけの独占にならないような料理とサービスを提供し続けてきたことです。極端なことを言えば、この40年間、マリオの料理とサービスは完璧だったと言っても良いくらいです。
レストランと平和運動とは、全く性質の違う存在です。それを敢て同一視することで、今までは見えなかった平和運動の姿が浮かび上がるかもしれません。そのために発するべき問の例としては、次のようなものが考えられます。
平和運動では食事やサービスの代りに何を提供しているのでしょうか。「お客さん」は誰を指すのでしょうか。そのお客さんは、お金の代りに何を平和運動にもたらすのでしょうか。レストランの人気が高まり、多くの支店を開くことは何に相当するのでしょうか。メインの料理だけでなく、デザート専門の店が人気を呼ぶことは、平和運動にすれば何に当るのでしょうか。
平和運動の目的は、例えば核兵器の廃絶ですから、社会を動かさなくてはなりません。レストランという存在は直接、社会を動かすという役割を担っていませんが、それは、レストランにおいては何に置き換えられるのでしょうか。
こうして、想像力は膨らんで行くのですが、これをお読みの皆さんにも御自分にとって身近な何かと平和運動とを比較して、平和運動の未来を創るための何らかの閃きを感じて頂ければと願っています。これから一月くらいを掛けて、じっくり考えてみたらどうかと思うのですが、如何でしょうか。
[2022年1月11日 イライザ]
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