広島城下町歴史学習散策会(第2,3回)
広島城下町歴史学習散策会の第2回、第3回の報告です。
11月28日に開催された第2回「白島編」は、参加できない予定でしたが、被爆二世交流会の日程を変更し、参加しました。
白島編
「白島編」は、広島城の北側、白島地域です。スタートは、広島中央公民館のすぐ西隣、広島城の堀に太田川の水を引き入れるため作られた「羽子板堀」からスタートです。堀の形が羽子板の形をしているため羽子板堀と名付けられました。現在の城北どおり三篠橋東詰め(下図左上)付近です。
城北通りの南側に緩いU字形でつくられたのが北堀です。現在の基町高校、白島小学校は、その上に立っています。
次に訪れたのは、広島裁判所付近です。裁判所の敷地の北側には、土塁が残っています。「内堀と中堀をつないで堀が作られましたが、その堀を掘るときの出た土が盛られてできた土塁です。」との説明です。
この土塁跡には、大きな被爆クスノキが植わっています。以前、被爆樹木めぐりの時、ガイドから「この土塁は、軍の弾薬庫の周りに作られたものです」と説明を受けていましたので、明治以降に作られたものと理解していました、しかし、今回の説明の方が納得できるなと思いました。広島城築城時の土塁を利用する形で弾薬庫が作られたというふうに考える方が、自然な気がします。
つづいて江戸期の遺構ではありませんが、広島拘置所に移動しました。拘置所の周囲を囲む塀には、江戸時代の町や人々の活躍の様子が壁画として描かれています。
1986年、広島城築城400年事業の一つとして企画され、被爆画家の入野忠芳さんの手によって作成されました。当時、コンクリート造りの凸凹の壁に画くため、大変苦労されたと聞いています。その後、色が薄くなったため、20周年目となる2006年から5年間かけて、水野さんによって修復作業が行われ、現在は美しくよみがえっています。
この後、周囲をまわりながら、最終地の縮景園裏の京橋川河畔に移動しました。「ここは、水の便が良かったからでしょう、江戸時代には三軒の紺屋さんがありました。ですから、三軒紺屋跡と呼ばれています。」
説明は続きます。「よく見てください。対岸が、こちら側より低くなっているのがわかりますか。広島は、何度も洪水が発生しましたの。その洪水時に、お城のある城下側に水があふれないようにするため、対岸(大須賀側)が3尺低くしてあったようです。」
ここにも城下を守るための工夫があったようですが、大須賀村と呼ばれていた対岸は、たまったものではなかったと思います。第2回「白島編」はここで終わりました。
幟町編
第3回の「幟町編」は、現在の八丁堀、鉄砲町、幟町方面ですが、この地域はこれまでに何度か話を聞いたことがありますので、少し関心が低かったように思います。
特にこの地域で印象に残ったのは、現在の福屋の西側からバス通り沿いに北に家庭裁判所まで直線で伸びていた八丁堀です。堀の長さが南北8丁(約109メートル)あったため、「八丁堀」と呼ばれ、現在の地名にもなっています。
裁判所の東側に建つ「広島法務合同庁舎」前での説明です。
「この法務合同庁舎の建物、バス通りよりやや西側に立っていますよね。バス通りの西側から建物までの、いま緑地になっている場所が、当時の八丁堀の跡です。南側を見てください。八丁堀の跡に建っている建物は、低く同じ高さになっていますよね。そのすぐ西隣の建物が高くなっているのがわかると思います。」(写真では、道路の右側の並び)
そう言われてみれば、そのように見えます。
この後、福屋方面に移動するのですが、元八丁堀跡と思われる場所とその西側には、どの場所でも揃ったように建物の境界(新しくたったと思われるビルにはいくつか例外がありますが)となっています。
最近の新しい建築技術では、土地の軟弱も克服できるようになったようですが、これほどはっきりと建物の境界があることを認識したのは、初めてです。京口門公園の東西の幅が、当時の八丁堀の幅のようですから、あの場に立つと堀の大きさも実感できます。
3回の「広島城下町歴史学習散策会」でも、また新しいことを知ることができました。
余談ですが、今回初めて広島市が発行する「高齢者いきいき活動ポイント手帳」を活用しました。
いのちとうとし
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