『ドン・キホーテ』が語る「歴史」とは、
……歴史家たる者、正確を旨とし、真実に忠実でなければならない。あくまで客観的で、利害、愛憎、恐怖、いずれによっても筆を曲げてはならないからである。なんといっても歴史は真実の母、時の好敵手、行為の記録、過去の証人、現在にとっての手本にして警告、未来へ向けての戒めなのだ。……(『セルバンテス全集第2巻 ドン・キホーテ』〔前篇〕、第九章p,111、水声社) |
「ドン・キホーテ」は有名だ。ミゲル・デ・セルバンテスの『才知豊かなる郷士 ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』を読んでなくても、とにかく「ドン・キホーテ」は知ってるだろう。
2002年、ノルウェーのブッククラブ(ノーベル研究所)が、54ヵ国の100人の著名人に「歴史上、もっとも素晴らしい文学作品」10篇の推薦を依頼し、その集計結果で、一番の文学作品として選ばれたのが『ドン・キホーテ』だそうだ。
ミゲル・デ・セルバンテスによって1605年に生まれたあの『ドン・キホーテ』で、著者が歴史について語る場面がある。歴史は、真実の母であり、時の好敵手で、行為の記録、過去の証人で、現在にとっての手本にして警告であり、未来へ向けての戒めであると。
歴史というのは墨塗りで消そうとして消されるものではない。都合が悪いといって改ざんをしても、「真実の母たる歴史」はその改ざんした行為までも記録し、過去の証人となり、現在への警告になる。それこそが、未来に向けての「過ちは繰返しませぬ」という戒めになる。
※エスパーニャ語では‹歴史›も‹物語›も同じhistoriaであり、’人によって語られるもの‘という意味だそうです。
李 昇勲
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