広島市「職員の服務に関する宣誓書」-その3
今回は、広島市の「職員の服務の宣誓に関する条例」を調べていて疑問に感じたことです。
疑問に感じたのは、同条例の第2条の(職員の服務の宣誓)の条文です。2条は次のようになっています。
「第2条 新たに職員となつた者は、任命権者(人事委員会の委員の場合にあつては、市長とする。以下同じ。)又は任命権者の定める上級の公務員の面前において、任命権者が定める様式の宣誓書に署名してからでなければ、その職務を行つてはならない。」
この条例のどこに疑問を感じたかです。文字を強調した「任命権者が定める様式の宣誓書」の部分です。特に疑問を持つような文言ではないように感じられますが、「任命権者が定めた様式」が、この条例のどこにも例示されていないのです。
しかし、私が調べた他の自治体の「職員の服務の宣誓に関する条例」では、例えば福山市の条例では、「第2条 新たに職員となった者は、別記様式によるそれぞれの宣誓書を任命権者に提出してからでなければ、その職務を行ってはならない。」と、宣誓書の様式が別記として条例に明示されています。
政令都市の中で、広島市と同じように条文に「任命権者が定める様式」とし、様式が別記に明示されていない市が二つありました。しかし、仙台市は「規則」で、神戸市は「規定」で、きちんと様式を定め、明示していますので、ネット上の「例規集」から検索することができ、だれでも見ることができます。
しかし、広島市だけは、条例以外に「職員の服務の宣誓に関する」規則や規定がありませんから、その1で書いたように、市民が「宣誓書」の内容を知ることはできません。
広島市の条例では、様式が例示されておらず「任命権者が定める様式」ということのみが決められていますので、任命権者(広島市では市長ということになる)が、その内容を自由に変更することが、可能になっているのです。
疑問を感じた私が、広島市に対し「任命権者が宣誓書の様式を自由に変更できることについて、どのように考えているか」と問い合わせたところ、以下のような陳腐な回答が返ってきました。
「お問い合わせの件について、職員の服務の宣誓に関する条例の規定上、問題はないものと考えています。
なお、この条例は昭和54年に広島市議会の議決を経て施行されたものです。」
確かに、条例上に様式が定められていないのですから規定上は、問題がないかもしれません。しかし、何の手続きもないまま市長の一存で、宣誓書の内容を変えることができるという条例事態に問題があるという認識が全くないのですから、あきれるばかりです。
この回答では「昭和54年に広島市議会の議決を経て条例が施行された」とありますが、広島市の「職員の服務の宣誓に関する条例」が、最初に施行されたのは、昭和26年(1951年)3月30日です。広島市の回答にある「昭和54年(1979年)に施行」というのは、同年9月に条例の一部が改正された年のことです。この年どんな改正が行われたのかはわかりません。しかし、「宣誓書」の様式が改正されたのではないことは、9月の市議会総務委員会での広島市の答弁を聞けば、はっきりしています。繰り返すようですが、広島市は「本市独自のものとして昭和58年宣誓書を改めた」と説明しているのですから、宣誓書の内容が「昭和58年」に替えられたのは間違いないようですが、条例の中に「昭和58年」という記載は一切ありませんから、そのことを確認するすべはありません。
こうした経緯と「任命権者(ここでは資料)が定めた様式」としか定められていない条文を考えると「任命権者によって自由に変更できる」という私の疑問が起きるのは、当然のことです。
広島市の回答を受け、「①昭和54年の改正内容、②昭和58年の宣誓書の改正はどんな手続きをしたのか、市長の裁量のみで変更したのか③条例などに法的な形で『宣誓書の様式』が明示されていないことをどう考えるのか」など4点の再質問をしました。
さて、どんな回答が返ってくるのやら。
回答があれば、又紹介したいと思いますが、それにしても市民の指摘に真剣に向き会おうとしない広島市の市政にはあきれるばかりです。
いのちとうとし
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