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« 2021年9月17日に公表された、小山田圭吾本人による謝罪と経緯説明 ――小山田圭吾事件が問いかけているのは? (8)―― | トップページ | 選ぶべき道 »

2021年10月 2日 (土)

のり付着はなかった菅首相のあいさつ文

8月6日の平和記念式典での菅首相のあいさつ文読み飛ばしの問題は、8月16日のこのブログ「読み飛ばしは避けられた ――総理一人の問題ではない―― : 新・ヒロシマの心を世界に (cocolog-nifty.com)」でイライザさんが、その問題点を詳しく指摘されていますが、今日は、8月6日の夕方からマスコミを通じて流れた「読み飛ばしは、挨拶文が糊がついて剥がれなかったから」という報道の問題点について報告します。

もともとこのニュースを聞いた時から「挨拶文を用意した事務方がそんなミスをするはずがない」「事前に一度は目を通しているはずだから、絶対にそんなことはない」と思っていましたが、それ以上の追及をするつもりはありませんでした。

ところが、元市職員だったHさんは、怒りが収まらず「どうもおかし、現物を広島市が保管しているはずだから調べてみよう」と数人の名前で広島市に対し「挨拶文」の開示請求をしました。

数日後広島市から、この請求に対し「現物を開示します」との回答があり、広島市公文書館で、現物を見ることになりました。

読み飛ばされた部分です。

20210922_160951

私たちの目の前に出された「挨拶文」は、スムーズに開きます。複数の人間で、手に取り何度も見たのですが、該当する部分に糊付けがはがされたと思われる痕跡は全くありません。綺麗な状態です。

挨拶文は、A4サイズの和紙のような薄紙を横に7枚並べて作られていますので、継ぎ目は、6カ所あります。もし私につなぎ合わせる作業を任されたら、前か後ろの紙の一部に糊付けをし、重ね合わせて継いだはずです。しかし、目の前にある挨拶文は、表にはつなぎの痕跡は全くなく、裏打ちのように裏側に同材質の幅約2センチの紙を貼ってつなげてありました。もちろん紙の両脇や下側にのりがはみ出したような痕跡は見当たりません。素人目ですが、非常に丁寧な仕事がされているなと思いました。

20210922_162514

こんな丁寧の仕事をする人ですから、仮にのりがはみ出したとしても、それを放置したままで、折りたたんであいさつ文を作ることなど絶対にありえませんし、作業後にはきちんと開くことを何度も確認したはずです。

さらに首相官邸のホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2021/0806hiroshima.html)で、平和記念式典の菅首相のあいさつの様子が、最初から最後まで全て映像で見ることが出来ますので、何度も繰り返し見て確認しました。先頭から2分20秒のところです。読み飛ばしの該当部分が、首相の右手に移った後、よく見ていると明らかに開いているのが見て取れます。ひっついている様子は全くうかがえません。

ここでも、菅首相のあいさつ文読み飛ばしが、「のり付け」が原因でないことははっきり確認できました。

ところが、その日の夕方には、「原稿を貼り合わせる際に使ったのりが予定外の場所に付着し、めくれない状態になっていたため」「完全な事務方のミス」との報道が流れました。菅首相の読み飛ばしの原因が、このあいさつ文を作った人の作業にあったというのです。これだけ丁寧な仕事をした人は、この報道をどんな思いで、聞き、読まれただろうかと、同情の気持ちが湧きます。

問題は、なぜこのデマ情報が、マスコミを通じて、まことしやかに流れたのかということです。あいさつ文を見た時、担当の広島市の職員に、当日の状況を確認しました。

菅首相は、あいさつが終わるとあいさつ文を包み紙とともに、縁台上に残して自席に戻ります。これは、ホームページの映像でも確認できます。その後式典が終了するまで、縁台上に残ったままです。式典がすべて終了した後市の職員が、演台上にあった首相のあいさつ文も他の資料などと一緒に段ボール箱に入れ、市役所に持ち帰ったそうです。今年は、翌7日が土曜日、さらに8日は山の日、9日は振替休日と休みが続きましたので、持ち帰った段ボール箱を整理し始めたのは、火曜日の10日です。この間一度も手を触れることはなかったということですから、のり付けがあったなど確認することも全くなかったのです。

さらに、式典終了後、あいさつ文の現物について「のりが付着していて剥がれない」状態だったかどうかについて、政府による現物確認はもちろん、確認のための問い合わせの電話も全くなかったそうです。

明らかに政府の誰かによる意図的に流された情報です。情報操作といってよいでしょう。このデマ情報が流れた一番の責任は、政府にありますから、その責任が厳しく問われます。と同時に、「ちょっと考えればおかしいな」ということが容易に想像できるこの情報をうのみにして流したマスコミの責任も同じように問われなければならないと思います。

私も当初は、読み飛ばしのことだけを問題だと思っていましたが、「のり付け」問題の経緯を調べていくうちに、もっと重要な問題があることを知ることになりました。

それは、だれがどう考えてもおかしいと疑問を感ずる情報「のりが付いていたため、読み飛ばしが生じた」という「政府の説明」を何の疑いもなく、もちろん検証もせずにそのまま流してしまったマスコミの姿勢です。

マスコミ報道の現状を改めて思い知らされることになりました。

いのちとうとし

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コメント

「いのちとうとし」様

「良い仕事をしてますね!!」

これで、辛口のミステリー・ドラマが一本できるような内容です。良く調べられましたね。これからも色々な分野で、素晴らしい調査能力と分析力を生かして下さい。

「イライザ」さま
コメントありがとうございます。
一緒にあのあいさつ文を見た人からの一言がヒントになりました。
別の角度からも見ること考えることの大切さを大切さを学ぶことが出来たように思います。
そうすることで全く違う世界に出会えるので、楽しいです。
こうしたコメントをいただくとまた、やっぱりがんばらなければという気持ちになります。
その意味でもありがとうございます。

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