エネルギー基本計画のパブリックコメント(意見公募)
9月3日から10月4日までの予定で、「第6次エネルギー基本計画(案)」に対するパブリックコメント(意見公募)が始まりました。「(パブリックコメント)書いても政策変更がされることないから」という人もおられますが、公けに私たちの意見が言える場です。是非とも多くの意見を寄せてもらいたいと思っています。エネルギー基本計画は、11月1日から英国で開催される気候変動枠組条約締約国会議 (COP26)の会議前に閣議決定を経て正式な物になることになっています。
8月4日に経済産業省の有識者会議で、おおむね了承とされた内容を読んでみましたが、なぜか島根県出身の政治家で「言語明瞭なれど意味不明」と形容され、総理大臣にもなったあの人を思い出しました。エネルギー基本計画案は、もう一歩ダウンして「言語も意味も不明瞭」です。
「可能な限り原発依存度を低減する」との従来方針を維持し、原発の新増設やリプレース(建て替え)は書いていません。しかし原発を低コストで安定供給が可能な「重要なベースロード電源」と位置付け、安全性確保を前提に「必要な規模を持続的に活用する」としています。この屁理屈というか、つじつまが僕の頭の中でどうしても整理ができないのです。一方で、2030年度の電源構成では原発は20~22%としています。
一つの文章の中で、前段で書いた文章が後段の言葉に結ばれないというのは、政治家に忖度した官僚らの手段かも分かりませんが、例えば次の下りです。
・「国民からの信頼確保に努め、安全性の確保を大前提に、必要な規模を持続的に活用していく」「安全を最優先し、経済的に自立し脱炭素化した再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減する」となっている。(下線は木原)
梶山弘志経済産業大臣が、福井県に在る原発の40年越え運転の同意を得る際
(温室効果ガス46%削減の)「野心的な目標達成のために原子力を含む脱炭素電源を最大限活用していく」と述べていましたが、依存度低減には触れていませんでした。さすが原子力発祥の県、茨城出身の政治家だからでは片づけられません。
自民党総裁選挙、一政治家の時は「脱原発」を発言していた候補予定者もそれをトーンダウン、COP26までに衆議院選挙が行われるかどうかは不明ですが、どちらにしても選挙の争点にする(しなければならない)ことが重要だと思います。そのためには、それを形に表すのは、多くの人がパブリックコメントに意見を寄せることだと思います。
島根原発2号機の再稼働問題で、原子力規制委員会が実質合格にした時もパブリックコメントが実施されましたが、「160通」と報告されました。福島原発事故後の再稼働トップになった九州電力川内原発は1万通を超え、東北電力女川原発では1000通近くがありました。島根原発が少なかったことに「関心が薄くなった」という意見がありました。
COP26を前にした世界的な声は、「温暖化防止に本気で取り組まない日本」という批判です。原発にも石炭火力にも頼らないエネルギー政策は可能です。繰り返しになりますが、みんなでパブリックコメントを出しましょう。
木原省治
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