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2021年9月17日 (金)

島根原発で事故が起きたら―私の実家

一昨日(15日)原子力規制員会は、中国電力島根原発2号機の安全対策が新規制基準を満たしたと「合格」を与える審査書を決定し、中国電力に交付しました。これによって、島根原発2号炉の再稼働に向けての動きが強まることになります。

島根原発の問題については、このブログでも木原省治さんが何度も指摘しています。この決定を受け、次回(20日を予定)、様々な問題点やこれからの課題(地元合意)などを紹介していただけるのではないかと勝手に思っていますので、今日は島根原発を私自身のかかわりから考えてみたいと思います。

というのも、私の実家が松江市にあるからです。また原発事故が起これば非難の対象となる30キロ圏に、姉兄2人の家族が住んでいますし、松江市内は、高校の同級生もたくさん暮らしています。ですから、島根原発の問題は、他人ごとではないのです。

私の実家は、松江市の市街地南はずれの雑賀町です。雑賀町の町名は「戦国時代に活躍した紀州の足軽鉄砲隊『雑賀衆』を、松江城を築いた堀尾吉晴が城を守るため呼び住まわせた」ことに由来しています。いまも足軽屋敷の町割り(幅4mの道が縦横にある)が残る古い住宅街です。島根原発から実家までは、約11キロの距離です。

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松江市が作った「原発事故避難計画」によれば、雑賀町(5,220人)は乃木地区(12,730人)とともに、島根県内の一番外れ益田市が避難先となっています。益田市までは、直線では140キロですが、バスや車だと約162キロの距離があります。移動手段を含め本当にきちんと避難できるのだろうかとの危惧が湧きますが、ぜひ計画通りの避難が進んでほしいと思います。

私が働き始めた最初の職場が、松江市の中心にあった松江電報局でしたから、市内の地図はよくわかりますので、実家のこと以上に危惧していることがあります。

一番は何といっても、避難指示の司令塔とうなる島根県庁が、原発からわずかに8.7キロしか離れていませんから、原発事故が起きた時、本当に機能するだろうかということです。

Photo_20210916143701

県庁は、島根原発の南東に位置しています。島根県出雲地方は、特に冬の時期には、北西の季節風が毎日のように吹きます。県庁は、風下になるのですから、県庁自体、全県庁職員の早急な避難が求められます。緊急の場合は、30キロ離れた出雲市の合同庁舎に機能を移転すると聞いていますが、どれだけ早く機能移転ができるのか、緊急の場合本当に機能するのか心配です。島根県のホームページによれば、避難計画を指導する防災部原子力安全対策課は、県庁内にあります。本当に出雲市に移転させるのであれば、事故が起こった時では遅すぎますから、いまから移転しておけばよいと思うのですが。「原発事故避難計画」だけ見ると立派な計画が作られていますが、それを実行するための十分な備えがされているのだろうかと、この一つをとっても感じてしまいます。二番目は、松江市の市街地を東西に流れる大橋川の存在です。河幅は狭いところでも130メートルあります。両岸を南北を結ぶ橋は、私が住んでいたころには2本しかなかったのですが、今は4本に増えました。しかしそれでもいざという時には、この橋が、避難移動の大きなネックとなることが予測されます。島根原発から30キロ圏内46万人の住民が避難を余儀なくされます。原子力規制委員会での「島根原発合格」に先立ち政府は、9月7日の原子力防災会議(議長・菅義偉首相)で、「緊急時対応」を了承しましたが、「机上の計画」と危惧する根強い住民の不安は大きいものがあります。今回私が指摘した問題もその一つです。こうした住民の声に向き合って、解消するための努力が続けられているのだろうかと、私の疑問が消えません。事故が起きたらどうなるのか、今一度立ち止まって真正面から向き合ったほしいと思います。

いのちとうとし

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