「ヒロシマの空白 被爆75年」発刊
中国新聞が、2019年11月28日付で開始し20年3月まで連載した「ヒロシマの空白 被爆75年」が、再構成され1冊の本となって出版されました。
「『空白』を埋めていく」と題された前書きには、こう書かれています。「米軍が投下した広島原爆の犠牲者は「14万人±1万人』と言われているものの推計値に過ぎず、いまだに把握されていない死者が大勢いる。平和記念公園内の供養塔にに引き取り手がないまま安置された遺骨の人数や身元、被爆者を苦しめてきた放射線の健康被害―。原爆被害について分かっていないことは、あまりに多い。」
この連載が始まる前、担当記者の一人と同じことを話したことを思い出します。連載中から期待していましたので、毎回の記事を切り抜き、大切に保存してきました。埋もれていた広島の事実が掘り起こされた記事の連載に、興味が尽きることはありませんでした。
ですから、この連載がまとめられて本になればよいのにと期待していましたが、そのニュースを耳にすることはありませんでした。
ところが、この連載企画が、2020年の新聞協会賞を受賞したことが契機となり、今回再構成して出版することになったようです。
写真グラフから始まる本書の内容については、大きな目次だけ紹介します。
第1部「埋もれた名前」
第2部「帰らぬ遺骨」
第3部「さまよう資料」
第4部「国の責任を問う」
第5部「朝鮮半島の原爆被害者」
第6部「つなぐ責務」
第7部「75年後の夏」
連載中によせられた写真を中心とした「街並み再現」
本は、A4版の少し大きめのサイズです。本文には、写真の映りが良くなるような紙が使われています。発行元のザメディアジョンに電話で、使われている紙を問うと「上はマットコートです。古い写真も多くあるので、出来るだけクリアに見えるようにとこの紙を使うことにしました」とのことです。ですから、新聞紙上とは違う写真を目にすることが出来ます。
奥付を見ると発行日は、6月23日となっていますが、初版の1500部は、すでに完売。8月6日も近いということで、増刷されることになっているようです。ひょっとするとすぐに入手できないかもしれませんが、ぜひ手にしてほしい本です。
私もこのブログを書くのに、何度かこの本には、お世話になりそうです。
いのちとうとし
[お願い]
この文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。
« 池袋暴走事件 (3) ――「電子制御装置には欠陥がない」では説明の付かない事例報告―― | トップページ | 7月のブルーベリー農園その1(東広島市豊栄町) »
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 第51回在日朝鮮学生美術展(2025.01.21)
- 「戦争ホウキと折り鶴」-旧日本銀行広島支店(2025.01.19)
- 日朝友好広島県民の会2024年度総会(2024.12.19)
- 江戸・戦前の広島を発見!(2024.12.17)
- 高校生が描いたヒロシマ「原爆の絵画展」(2024.12.16)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 赤貝のに付け(2025.01.26)
- 島根原発をめぐる今年の動きを予想する(2025.01.25)
- 「核兵器禁止条約」発効4周年キャンドルメッセージ(2025.01.24)
- 2025年1月のブルーベリー農園その3(2025.01.23)
- 安保法制に反対する府中市民の会の1月の「19日行動」(2025.01.22)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 新著「『原爆裁判』を現代に活かす」を拝受(2024.12.28)
- ユーロシマ(2024.12.07)
- ベトナムの歴史(その34) ― ベトナム Now Ⅳ― (2024.11.20)
- 初日に行きました「紙屋町シャレオ古本まつり」(2024.11.12)
- 「伊藤孝司写真展『在朝被爆者と平壌の人びと』」今日が最終日です。(2024.07.07)
« 池袋暴走事件 (3) ――「電子制御装置には欠陥がない」では説明の付かない事例報告―― | トップページ | 7月のブルーベリー農園その1(東広島市豊栄町) »
コメント