被爆の生き証人としてⅣ
旧陸軍被服支廠の全棟保存にむけた議論がようやく動き出しはじめました。
5月16日、広島県は所有する全3棟の耐震化を表明しました。また、国の1棟を管理する中国財務局は「県や市の議論をふまえ、適切に対応したい」とコメントしました。
5月20日には広島市が「もの言わぬ証人である被爆建物を活用する表明だと受けとめる」と広島県の判断を評価しました。また、広島市としても費用負担について考える必要があると話をしています。
5月24日の参議院決算委員会では、文化庁審議官が「最古級の鉄筋コンクリート建物として『一定の歴史的価値』があり、原爆投下直後の臨時救護所となった『歴史的意義』がある」と答弁しており、厚生労働大臣も広島・長崎の被爆遺構について「しっかり守りながら伝えていくことが重要」と答弁しています。
6月17日には、広島県が2023年度、全3棟の耐震化工事に着手する方針を固め、2021年度一般会計補正予算に6,600万円を盛り込んだと報道されました。予算案が成立すれば、有識者でつくる2つの検討組織(安全対策・価値評価、建物の活用の方向性)を置くことも検討されています。
もの言わぬ証人である被爆建物を後世に残すには、何のために残すかが問われます。
保存のために必要な概算工事費は1棟あたり5億8千万円とも言われていますが、一度、壊してしまえば元には戻せないことを踏まえ、国・広島県・広島市が知恵を出し合い一体となって全棟保存にむけた動きを加速させるよう、私たちも常に関心をもち、声をあげ続けましょう。
~ヒロシマを忘れた時、ヒロシマは繰り返される~
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