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2021年6月 9日 (水)

なぜいま、被爆二世健康記録簿?

 毎年この時期に始まる被爆二世健康診断(以下「二世検診」)が、今年度は6月10日に開始され、来年の2月28日まで実施されます。

 今年の二世検診の案内には、初めて「被爆二世検診記録簿」が同封されました。この「被爆二世検診記録簿」が、発行されることが明らかになったのは、昨年8月6日に安倍総理が出席し広島市が主催して開催された「被爆者代表の要望を聞く会」での、加藤勝信厚生労働大臣(現官房長官)の発言です。

 広島市が作った議事録によれば、県労被爆連の代表として参加した被爆二世の中谷悦子さん(県原水禁の常任理事)の「(被爆二世)不安解消の一助として、自らの健康管理に役立てるものとして健康管理票を発行してほしい」との要望を受け、加藤大臣が「国としても、被爆二世の方々が、検診の結果を自身の健康管理に効果的に活用していただくことは重要なので、小冊子のひな型を自治体に示す中で、標準化するなどの取り組みを検討していきたい」と答えています。この答弁によって、今年から「被爆二世健康記録簿」が、発行されることになりました。

 この「被爆二世健康記録簿」作成の目的について、厚労省は2020年12月17日の事務連絡で次のように記載しています。「被爆二世の 結果等を記録し、自身の健康管理に役立てること」と。

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 「被爆二世健康記録簿」発行されることに、私も反対しているわけではありません。しかし、過去の経緯を知るものとしては、どうしても「なぜいま」という疑問が湧くのです。

昨年12月の厚労省の通達は、「なぜ発行することになったのか」の経緯は書かれていませんが、加藤厚労大臣(当時)は、答弁の中で、その理由を「検診の結果を自身の健康管理に効果的に活用していただくことは重要」だといっていますので、なおさら「なぜいま」といいたいのです。

国の施策による「被爆二世検診」は、1979年にスタートしました。その後、被爆二世団体は、国への要望の中で、「ガン検診の追加」と共に「『被爆二世健康記録簿』(名称は、様々云われてきたが)の発行」を、要望し続けてきました。

私も、国会議員だった2000年から3年間、毎年行われる被爆二世団体の厚労省交渉に一緒に参加してきました。当時多くの要望事項の中でも、「被爆二世健康記録簿の発行」が、一番の中心課題だったことを記憶しています。その後もこの要望は続いたと思います。ところが様々な理由をつけて、厚労省は、この要望に応えることはありませんでした。私が知る限りでも、すでに二〇年以上、無視され続けてきました。加藤厚労大臣が「重要」と認識するような要望であったにもかかわらずです。

今回の厚労省の通達を読んでも、「いまなぜ」という疑問は解明しませんので、厚労省に直接電話を掛けて聞いてみました。その答えは、次のような内容でした。「日本被団協からこれまでにも要望があったのですが、当初被爆者健康手帳と同じものを要望されていると思い、受け入れることが出来なかったのです。しかし、その後、その内容が『健康診断記録簿的なもの』ということがわかりましたので、今回発行することになりました。」

この答えを聞いた唖然としましたので問い返しました。「もともと被爆二世団体が要望していたのは、『記録簿』としての手帳だったんですよ。あなたが言われたことが理由なら、その時から実施できたはずでしょう?」。予想されたことですが、具体的な答えは返ってきませんでした。当然、私の疑問は、今も解明されていません。

理由を想像すると次のようなことではないかと思います。

長年の要望を今にして実施しようとすることになった大きな理由は、次のことではないかと思います。

2017年2月に「被爆二世に対する援護措置としては不十分な健康診断しかなされていない状況=立法不作為の状態が五歩状態にある」と訴え始まった「被爆二世裁判」です。「政府としても、やれることはやっている」ことを明らかにしておきたかったと思われます。

厚労省は、なぜ今年から政策を変えて「被爆二世健康記録簿」を発行することにしたのかの理由は絶対に明らかにしないと思いますが、裁判以外に、被爆二世を取り巻く状況で大きな変化はないのですから、そう考えるしかありません。

つまり、被爆二世問題も他の黒い雨や在外被爆者問題と同じように裁判でしたか解決するしかないということになりそうです。

ところで「被爆二世健康記録簿」を手にして、ちょっと気になったことがあります。この冊子の最初ページの「被爆二世記録簿について」には、「この冊子は、ご自身で記入してください。」と書かれています。さらにページを進むと、4回分の「健康診断結果」を記載するように「記録表」が出てきます。

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気になるというのは、二世検診が終わって自分のところに送られてきた「健康診断票」の内容を全部、自分の手で転記しなければならないことです。私が同席した時の厚労省での交渉を思い出します。被爆二世の人たちが「送られてきた『健康診断票』をそのままと綴じることが出来る形・サイズが良いです。連続して健康診断の記録を残すことが出来ますから」と言っていたことを思い出します。

今回配布される「被爆二世健康記録簿」のサイズは、A6版(105×148mm)ですから、「健康診断票」を綴ることは無理です。もし、被爆二世の人たちの声を聴いておれば、毎年毎年転記しなければならないような「記録簿」(ひな形は厚労省が提示)にはならなかったはずです。

もっと当事者に向き合ってほしいと強く思います。

いのちとうとし 

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