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2021年6月 5日 (土)

ヒロシマとベトナム(その25) 「入管法」改正見送りをテコに 野党共同案による抜本改正を

「入管法」改正見送りをテコに 野党共同案による抜本改正を

3月7日、4月5日、4月7日と3回にわたり取り上げてきた「入管法」改正が見送られました。

本当に良かったと思います。改正案の強行採決を見送らせたのは、第一に在留ミャンマー人コミュニティーをはじめ多くの在留外国人やその支援者・団体の運動の成果だと思います。第二に、クーデター後3ヶ月余り、虐殺と弾圧を続けるミャンマー国軍に対する批判の高まり。第三に、野党共同案との比較を通して国際的な人権基準と大きく乖離した日本の入管制度と今回の改正案の問題点を多くの国民が知ることになったこと。第四に、国連人権委員会からの度重なる「入管法」の是正勧告や今回の「改正案」に対する懸念表明。第五に、政府のコロナ対策を評価しない人が65%を越し、国民の生命と暮らしを顧みずオリンピック・パラリンピック開催に固執する菅政権への批判の高まり。第六に、東京都議選挙や総選挙への影響を回避するための与党の党利党略に基づく判断だと思います。

Photo_20210603095201

日経新聞

したがって、「良かった」けれど、決して「安心もホッ」ともできる状況にはありません。

第一に、「3回以上の難民申請の場合、母国に送還できる」などとんでもない改正を止めることができましたが、期限のない収監や異常とも言える低い難民認定、裁判所や第三者機関の関与無き入管業務など、国際基準に満たない入管制度は残ったままです。第二に、改正が見送られただけで、政府与党の考えが決して変わったのではないことです。それは、収監中に亡くなったスリランカ人女性の様子を映した監視カメラの映像の開示を頑なに拒否していることからも窺えます。

安倍・菅政権と強権・強硬姿勢を貫いてきた中で見送らせた力(情勢)を背景に、総選挙で立憲野党を勝利させなければならないと思います。

 

相次ぐ技能実習生からの深刻な相談

「コロナ禍」も一年余り続いていますが、技能実習生に関わる深刻な相談が増えています。

Aくんのケース  2021年2月中旬

ベトナム中部出身、男性・28歳。2018年9月に来日、広島市内の管理組合を通し県南部の機械部品加工で技能実習(就労)。残業を含め月15~20万円。日本人から殴る、蹴るの暴力を受ける。管理組合に相談したが「頑張って」と言われただけで改善しない。居たたまれず2019年12月に「逃亡(ボドイ)」し東京、埼玉を転々とした。ネットで知り合った「ボス」の紹介で昨年春広島にきた。広島市内から東広島市の会社に今年1月末まで通勤、手取り14万円ぐらい。「ボス」の関係で2月から仕事が無くなった。2020年10月に在留資格が切れた。できれば日本でずっと働きたいと思っていたが・・・・。

Photo_20210603095202

両親と弟が暮らすベトナムに毎月10万円の仕送り。家は貧しく昨年の台風で大きな被害を受けて大変。

Aくんと直接面談し技能実習機構への相談や入管への出頭・在留資格申請などについて話し合い、幾度か連絡を取り合いました。しかし、「出頭するとベトナムに帰国させられる」「借金や仕送りがあるので帰国できない」「オーバースティは良くないと分かっているが仕方ない・・・・」。

相談を持ちかけられてほぼ2ヶ月、技能実習生の支援団体や幾人かの方々の力を借りながらサポートを試みましたが、最終的には「ごめんなさい」の言葉を残し音信不通になりました。

Bくんのケース 2021年4月中旬

広島の支援団体よりHVPFを知るという技能実習生の相談への対応依頼を受け、東広島駅で落ち合う。

私たちが2009年以来交流を続けているベトナム中部・クアンチ省出身、男性・23歳。農業を営んでいる両

親と妹の4人家族。2018年5月に来日、茨城県の大手宅建会社の下請けに技能実習生として就労。送出し

機関への100万円はすべて借金。仕事が少ないうえ天候にも左右され、月に半分ほどしか働けない。

6~7万5千円の給料からアパート代などを引かれ、生活費を差し引くとほとんど残らない。借金返済どこ

ろか生活費もギリギリな状況で、2019年11月に「逃げた」。以降、色んなところで働いてきたがコロナで仕事が無くなった。在留資格は昨年(2020年)切れた。ベトナムに帰ってやり直し、また日本に来て働きたいが帰国するお金も無い。

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この写真は文中と関係ありません

Bくんとの面談で、「入管に出頭しできれば就労可能な在留資格を申請し、帰国費用を稼ぎベトナムに帰る」との対応になりました。その後、広島の支援団体のサポートで入管での在留資格(就労可能な特定活動)が取得でき、知人を頼って北信越の農家で帰国まで働くことになりました。

 以上が、この2ヶ月間にオーバースティ(不法滞在)実習生からの相談案件のあらましです。1件は残念ながら解決に導くことができませんでしたが、いずれも、真面目に働き、仕送りで家族を助け、実習期間終了後は引き続き日本で働き、あるいは帰国し日本語を生かした仕事をすることを夢見ていた好青年です。

 このような好青年が夢を打ち砕かれ、不法滞在(オーバースティ)へと追い込まれる背景には、外国人労働者を労働力の調整弁として受け入れてきた政策(技能実習制度)があります。

今回の「入管法」改正問題と技能実習生からの相談を通して、改めて「入管法」と「技能実習制度」を人権が尊重された制度へと抜本的に見直すことが必要だと痛感しました。

(2021年6月5日、あかたつ)

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