「第2代平和の鐘」の鐘楼の工事
今日は、5月2日のブログ「平和の鐘」(平和の鐘: 新・ヒロシマの心を世界に (cocolog-nifty.com))で紹介した「第2代平和の鐘」の後日談です。
あの後すぐに「響け!平和の鐘実行委員会」代表の高東博視さんから、関係する資料を県原水禁事務局に送っていただきました。その資料の受け取りと原水禁世界大会の打合せのため自治労会館に行く道すがら旧市民球場跡に通ったところ「2代平和の鐘」が鐘楼ごと工事用幕でおおわれているのが目に入りました。下の写真は、北側(ハノーバー庭園側)から写したものです。
近くまで行って見たのですが、周囲に「何の工事」を示す看板が見当たらなかったため、広島市に問い合わせました。と同時に、高東さんにも資料を拝受したお礼のメールと一緒に、「何かご存知ないですか」とお聞きをしてみました。高東さんから教えていただいた内容と広島市の回答ともとに紹介します。
今回の工事は、「第2代平和の鐘」周辺の整備と合わせ、鐘楼の塗装や補修が目的で、6月末まで実施されるようです。上の写真の手前をよく見ると石段の一部が見えます。鐘楼の南側の土手は、切り取られましたが、ハノーバー庭園側は、そのままですので、石段をたどって近づけるように進入路が整備されています。
実は、これ以外にも今回は大切な工事が行われます。もともと「第2代平和の鐘」の鐘楼には、鋳物でつくられた「羽ばたく平和の象徴の鳩」が、取り付けられていたのですが、多くが紛失し現在は1個が残っているだけです。下の2枚の写真は、高東さんから送っていただいたものです。
現存する鳩
鳩の鋳物が紛失し小さな二つの穴だけが残っている
今回の整備に合わせて、「響け!平和の鐘実行委員会」のみなさんが、元の4個ある姿に戻そうと3個の鳩の鋳物を新たに鋳造し、それを取り付けた後、広島市に寄附されることになっています。現在その鋳造作業が進んでいます。その新たに鋳造される鳩の型の原型は、現在広島市公文書館に保管されているものが使用されます。この鳩の鋳物が広島市公文書館に保管されているのは、「第2代平和の鐘」を寄贈した「広島銅合金鋳造会」の当時の会長松村米吉さん長男伸吉さんが、「追悼の念を込め、制作を呼びかけた経緯を知ってほしい」との思いを託して、当時の作業風景を写した写真とともに寄贈されたからです。その経緯が、2009年7月30日の中国新聞(広島の「平和の鐘」2代目の模様 被爆金属のハト後世へ | ヒロシマ平和メディアセンター (hiroshimapeacemedia.jp)に詳しく書かれていますので、ぜひ読んでほしいと思います。
ご遺族のことでは、高東さんのメールにこんな紹介がありました。「活動のきっかけは、銅合金鋳造会の鋳物師ご遺族の一人(ご婦人)が、『お父さんが造った鐘をもう一度鳴らして欲しい』との声を偶然耳にしたことです。」今回の鳩の鋳物の補修を知られたら、ご遺族のみなさんもきっと喜ばれることだろうと思います。
ところで、このブログの原稿を書く前に、公文書館に保管されている現物をぜひ見てみたいと思ったのですが、現在緊急事態宣言中ということで、公文書館も閉館中のため、実現しませんでしたので、残念ながら写真で紹介することが出来ません。
広島市の担当課に「鳩の鋳物が取り付けられるときは、ぜひ立ち会いたいので連絡をください」とお願いをし、連絡が来ることになっていますので、その時新たに取り付けられたものと一緒に、公文書館に保管されているものも紹介したいと思います。
高東さんからは、ぜひ紹介したい「鳩の鋳物」を鋳造する工場にまつわる話を教えていただいていますが、この話は「響け!平和の鐘実行委員会」のホームページにもまだ掲載されていませんので、先走らないことにし、今日の余話はここまでで終わります。
いのちとうとし
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