心配な日本語 (2) ――一難去ってまた一難 (後)――
心配な日本語 (2)
――一難去ってまた一難 (後)――
「60sp」さんと「一読者」さんからコメントを頂きました。有難う御座いました。
「60sp」さんが例示されたように、「頂く」とか「召し上がる」といった敬語の使い方はかなり混乱しているようですね。近い内に、新たな問題提起も含めて、まとめて考えてみたいと思います。
「一読者」さんは、「他人事」、そしてその後頂いたコメントでは「夜が更ける」の読み違いを指摘して下さいました。「ひとごと」なのに「たにんごと」と読む人が後を絶たないだけでなく、わざわざ「たにんごと」とルビを振ってある本までまであったそうです。「よがふける」を「よるがふける」と読むケースは多そうですね。
「ひと」で思い出したのが、5年前の6月1日のブログです。「一段落」を「ひとらんだく」と読む人が多いのですが、こちらは「いちだんらく」です。
その他にも、心配な日本語や違和感のある日本語として取り上げたのは、2016年6月11日の、「とある」と「かぶる」や、
そして、2019年5月26日の、「被るのは帽子」等です。
この中でも、「ある」の代りに「とある」を使う例が雨後の筍のように増え続けていて、それを「もう一難」と呼びたかったのです。改めて呼びかけたいのですが、もし、あなたがどこかで「とある」を使いそうになったら、その時には、桃太郎を思い出して下さい。
「昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました」の代りに、「昔々、とあるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました」と言うでしょうか。「とある」を使った方が自然だと思えるようなら、「とある」を使って下さい。そうはなりませんよね。
「ある」で済むところは「ある」で!
この他にも、「注目を集める」や「肌理細やか」といった誤用もまだまだ耳障りです。となると「耳障りが良い」も聞きたくありません。回を改めて論じたいと思います。
[2021/5/26 イライザ]
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ルビは「たにんごと」です。
「よるがふける」はルビが振ってあったわけではなく、NHKの地方局のアナウンサーが景勝地からの中継の際に言っていました。
投稿: 一読者 | 2021年5月26日 (水) 08時25分
「一読者」様
私の勘違いの御指摘、有難う御座いました。
正確に言葉を使おうという、エッセイでこんな間違いをしてしまうとは--。以後、公開前にもう一度読み直すことにします。
本文も直しておきました。
投稿: イライザ | 2021年5月26日 (水) 09時07分
呉市における感染者情報。5月2日・日付分。5月4日追加・・・。学校の臨時休業・・・・。・・・休校・・・でなくて、…休業…なのですね。呉市に、問い合わせました。休校でなくて、休業に、しています。よく、わかりません。
投稿: 60sp | 2021年6月 4日 (金) 10時30分
「60sp」様
コメント有り難う御座いました。
Web上では、次のような説明がありました。
「「臨時休校」は、学校自体が休みになり生徒や教師も休み。
「臨時休業」は、授業自体が休みになり生徒は休みですが、教師は出勤している。
という違いでした。」 詳しくは次のリンクをお読み下さい。
https://everythingiscurious.com/3315/
私の印象は、「休業」を使う人の気持としては、上から目線があり、「休校」は生徒目線だという違いです。
公立学校の多くでは、「卒業式」と言わずに「卒業証書授与式」と言うようですが、その人たちは、学校という権威が行う式であることを強調しています。「卒業式」は「卒業」する人たちの立場からの言葉ですので、違いがあります。これは以前、このブログでも取り上げました。
https://kokoro2016.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/post-e2c2.html
「休業」と「休校」もその違いの反映だと思っています。
投稿: イライザ | 2021年6月10日 (木) 19時06分