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2021年4月18日 (日)

広島市議会・政策立案検討会議傍聴記―その1 入れられなかった「核兵器禁止条約の発効」-広島市平和の推進に関する条例

15日に開催された広島市議会の政策立案検討会議の傍聴記です。広島市議会は、今年1月15日から2月15日までの期間で「平和推進に関する条例(仮称)の素案」(ここでは全文紹介できませんので、広島市平和の推進に関する条例(仮称)素案に対する市民意見募集(募集終了) - 広島市公式ホームページ (hiroshima.lg.jp)を参照してください)に対する市民の意見を募集しました。この意見募集に対し、607人・団体から1043件の意見が寄せられました。寄せられた意見に対し、政策立案検討会議の考え方を示すことになっていますので、そのための検討が行われています。

3月18日に意見募集後最初の政策立案検討会議が開催され、その会議では「多くの意見が集まったので、この意見に対する検討を行う」ということとし、予定していた2月議会での採択は延期し、政策立案検討会議で引き続き協議することが確認されました。そいて今月1日に開催された第2回検討会議では「なぜいま条例が必要なのか」など基本的な考え方に関する意見について検討されました。そして第3回目となる今回の検討会議からは、いよいよ本論への意見の検討が始まりました。

今回は「前文」に対する意見について、それぞれ段落(8段落)毎にまとめられた意見に対して、協議が進められました。

段落ごとに、数項目の意見が寄せられていますので、その一つ一つの検討が進められました。その数28項目にもわたりますので、特徴的なことを紹介したいと思います。

順番どおりではありませんが、今日は、今回の検討で一番論議となり、傍聴者を唖然とさせ、私自身も耳を疑った第7段落の検討を紹介します。第7段落の原案は「今日、核兵器の廃絶に向けては、世界的にその機運は高まっているものの、実現までにはいまだ多くの課題がある。」です。

この項には、前文の中でも市民の最も多くの意見が寄せられました。その多くは「今年1月22日に発効した『核兵器禁止条約』について言及すべきだ」という声です。広島市民から見れば、当然の意見です。必ず挿入されると誰しもが思ったこの文言ですが、「意見が分かれたので、原案のまま」ということで、「核兵器禁止条約の発効」の文言は入れないことになりました。30名ぐらいいた傍聴席から、ため息が漏れます。

20210415_100058

少し論議の状況を紹介します。順不同ですが、入れなくてもよいという人たちの主張です。「『機運が高まっている』のなかに含まれているのだから必要ない」ここまでなら、まだ「そんな意見もあるのかな」という感想です。次に出たのがびっくりする意見です。「明確に反対。日本が批准する事にも反対。核兵器が違法となる条約を批准することは、日米安保条約の1条、2条にも関わることなので絶対反対。」さらに同じ委員からこんな意見も飛び出しました。「批准国の中には、中国の人権弾圧を支持する国が6つも入っている。」もう一人の反対意見は「発効したからと言って機運が高まっていることにはならない。条約で核兵器は、法律違反になったが、実効性があるのか。どうしても書かなけれればならない事なのか」です。今日は、各委員の発言への私の論評は避けますが、広島市議会は、国連で「核兵器禁止条約」が採択された2017年9月29日には「核兵器保有国を含む全ての国に対し核兵器禁止条約の早期発効を求める意見書」を採択しました。そして同条約の批准国が批准に必要な50カ国に達した2020年10月27日には、日本政府に対し「核兵器禁止条約の実効性を高めるための主導的役割を果たすことを求める意見書」を採択したはずです。反対の意見を述べた委員は、当時この意見書採択に反対したのでしょうか。

もちろん「入れるべきだ」とする委員も多数いました。例えば、原案では「入れない」ことに賛成だった人の発言です。「案を検討する過程では、いろいろな意見があった。私も入れなくてよいと思っていたが、今は、発効した事実があるので、事実をきちんと書くべきだと思うようになったので、入れることに賛成です」。この検討会議は、9人で構成されていますが、「核兵器禁止条約の発効を入れるべきだ」との意見が、半数以上の委員から、繰り返し意見が出ました。しかし結論は「核兵器禁止条約の発効の文言が入れない」ことになったのです。なぜそうなったのか?それは、この文言の挿入に最も強く反対した委員のこの一言があったからです。「原則に従ってやってください。」

実はこの「原則に従って」の言葉が、この政策立案検討会議では重要な意味を持つことになるのですが、それは明日紹介します。

いのちとうとし

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