35年目の「チェルノブイリデー座込み」
旧ソ連現在のウクライナのチェルノブイリ原発事故から、35周年となる昨日、広島県原水禁は、平和公園慰霊碑まで1987年以降続けている「チェルノブイリデー座込み」(昨年はコロナの影響で中止)を午後0時15分から30分間実施しました。コロナ過でしたが、33名の参加がありました。
日本政府、電力会社は、チェルノブイリ原発事故の教訓を生かすことなく、原発の「安全神話」を言い続け、東京電力福島第1原子力発電所事故を発生させました。
福島では、現在も多くの人が避難を余儀なくされていますが、チェルノブイリでは、原発事故による強制避難などによって住めなくなった村が188もあります。その村々の名前を記憶に残すため、10年前(事故後25周年)に作られたチェルノブイリ記念公園に村の名前を刻まれた188枚のプレートが掲げられているそうです。そこにはフクシマのモニュメントも作られています。
この記念公園で、その後4月26日には被災者たちが集まり式典が行われているそうですので、節目の今年も実施されたと思います。
35年目を迎えた昨日の座込みでは、下記の「チェルノブイリディーアピール」を自治労の山本加奈子が読み上げて提案し、参加者全員の賛同で採択されました。
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「4・26チェルノブイリデー」アピール
チェルノブイリ原発事故から35年が過ぎました。放射能による人体と環境への深刻な被害は今なお続き、被曝によると見られる分泌系や血液系疾患などの慢性疾患や新生児の先天性疾患が報告され、事故原発から30㎞圏内への立ち入りは厳しく制限され、人々を苦しめ続けています。
一方、「チェルノブイリのような事故は起きない」と宣伝され続けた日本では、10年前の2011年3月11日、福島第一原発においてチェルノブイリと同じレベル7の事故が引き起こされました。
事故を軽く見せたい日本政府は、避難区域の除染で住民の帰還を進めようとしていますが、健康への不安とすでに新たな生活拠点で生活再建が行われていることもあり、帰還は10年を経過した今もなお進んでいません。
何より今後数十年はかかると言われる事故処理も、貯蔵プールにあった核燃料の取り出しこそ一部で始まったものの、メルトダウンによって溶け落ちた核燃料の取り出しは全く手つかずの状態です。その上に、あろうことかタンクにたまり続けている処理水(放射能汚染水)の処分をめぐり多くの国民や漁業関係者が断固反対する中、放射能汚染水の「海洋放出」を閣議決定しました。
私たちは、チェルノブイリを、そして福島を、原発事故被害者の痛みを決して忘れてはなりません。それは、「核と人類は共存できない」ということを改めて教えているからです。
安倍政権を引き継いだ菅政権も、原発に依存してきた歴代の自民党政権の責任を取らないばかりか、多くの国民の反対の声を無視し、再び原発政策を推進し再稼働を強行しています。加えて、2050年「脱炭素社会」をめざすとして原発の再稼働・新設の動きも注視する必要があります。
原発事故で起こった事実を忘れた時、再び過ちを繰り返すことになります。安全神話の行きつく先に原発事故があったことを決して忘れません。脱原発への道こそ、私たちが歩むべき道であり、すべての原発の再稼働・新増設に反対します。
新たなヒバクシャを作らせないためには、「核絶対否定」の道しかありません。
私たちは、人類史上はじめて原子爆弾の惨禍を被ったヒロシマから訴えます。
◆チェルノブイリ原発事故を忘れてはなりません!
◆福島第一原発のような事故を二度と起こさせてはなりません!
◆原発の再稼働・新増設を許してはなりません!
◆新たなヒバクシャを生み出してはなりません!
◆全ての原発被害者への補償と救済を強く求めます!
◆放射能汚染水の「海洋放出」の閣議決定の撤回を求めます!
◆ノーモアヒバクシャ、ノーモアチェルノブイリ、ノーモアフクシマ
2021年4月26日
原水爆禁止広島県協議会
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いのちとうとし
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