4月26日はチェルノブイリ原発事故の日
4月26日はチェルノブイリ原発事故の日ですね。 昨年は広島・長崎から75年、今年はチェルノブイリから35年、そして福島原発事故から10年という年となりました。
40年以上前から、原発・エネルギー関連の新聞切り抜きをしていますが、日本で初めてこの事故が報じられたのは86年4月29日です。共同通信からの記事ですが、「ソ連原発事故か」との見出しに「北欧3国で強い放射能」の小見出し、本文は「28日スウェーデンなど北欧3国の一部地域で強い放射能が観測され、3国の当局者はソ連の原発で放射能漏れ事故があったのではないか、としている」と4段2行で書いています。
事故後にソ連は無くなり、チェルノブイリ周辺地域はロシア・ベラルーシ・ウクライナの3国となりました。原発そのものはウクライナに在るのですが、三つの国が交わるところとなります。
あれから35年、コロナ禍で実際に現地を視察することが不可能になっている中、たびたび現地を訪れている友人も同様で、行けない状態です。
私は事故後10年経った年とその翌年に、現地を訪れる機会がありました。日本にやってくる現地の人と交流することもありました。しかし、今は詳しい状況が分からないからこそ、とても心配です。
世界中をコロナがまん延している中、チェルノブイリ事故被害者には二重の被害が襲っているようです。特にベラルーシの人たちが心配です。ベラルーシの政治体制が悪い状況にあるために、人びとはそれに対する抗議行動に参加する必要もあるようです。
数少ないのですが、現地から届いたメッセージには次のように書いてありました。「先日は数百人が逮捕されました。平和的に抗議をした人びとに、多額の罰金が課せられ、拘置所に10日以上も拘留されます。8月9日(昨年)には、不正な選挙と警察の暴力に平和的抗議をした約3万人の人びとが拘束されました。私も多くを書くことはできません。抗議のシンボルの白・赤・白の旗をアパートに掛けているだけでも、見つけられたら罰せられます」と。
原発を持っていなかったベラルーシですが、昨年11月7日の、それもよりによって革命記念日という祝日に、ベラルーシ初の原発が稼働しました。しかし、3日後には故障によって停止したのです。周辺のリトアニア、ラトビア、ポーランド、エストニアはこの原発からの電気の購入は拒否するとしています。
チェルノブイリ原発は、今後最低でも100年間はこの状態を維持し、原発の状態が「安定」するのを待っているそうです。「安定」とは放射能半減期が経過することです。
それに引き替え、福島第一原発はどうでしょう。たった10年しか経過していないのに、原発事故など無かったかのようにする、臭い物には蓋をする、国民を忘れさせる。汚染水は海へ流す、出来もしないのに廃炉を40年で実現するという、放射線量が20㍉シーベルトでも戻ってこいという、この感覚チェルノブイリより断然遅れています。
チェルノブイリ事故が起こった時、日本政府が言っていた「あれはソ連のような遅れた国だから起きたのだ…」との言葉、そっくりお返ししたい気持ちです。
今年3月ウクライナ政府は、チェルノブイリ原発をユネスコの世界遺産に登録する手続きを始めたことが明らかになりました。その理由は「悲惨な事故を後世に伝え、再発防止を訴えるため」としています。この心構えの方が立派だと思います。現在、放射能の脅威を訴える世界遺産は、広島の「原爆ドーム」とマーシャル諸島の「ビキニ環礁」が在ります。
木原省治
【広島県原水禁からのお知らせ】広島県原水禁は、例年通り4月26日午後0時15分から30分間、慰霊碑まで「チェルノブイリデー」の座込みを行います。ぜひご参加ください。
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