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2021年3月29日 (月)

長崎の原爆犠牲者数は?―長崎市へ質問状を送付

このブログでも何度かとりあげた「長崎の原爆犠牲者数」について、一昨日長崎市に質問状を送付しました。長崎市から「問い合わせ」を受け付けたと連絡がありましたので、質問状の前文を省略し、質問部分のみを紹介します。

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① 1976年に広島・長崎市の連名で出された「核兵器の廃絶と全面軍縮のために-国連事務総長への要請」では、1945年末までの原爆による死亡者数として「長崎は、約7万人(誤差±1万人)」としています。

 さらに長崎市が1991年に岩波書店から発行された「ナガサキは語りつぐ 長崎原爆戦災誌」では、「ともあれ、長崎市では、人口調査などの数値から、死者7万余とする説を公式に採用している。」(P.105第2段落)と明記されています。

長崎市が「死者7万余を公式に採用」としているにもかかわらず、「原爆被爆者援護事業概要」では、「73,884人」を使われているのでしょうか。

もし長崎市の公式見解が変更されたのであれば、その時期と理由を教えてください。

② この疑問を質すのは、「残念ながら原爆被害の実数は特定できていない(事業概要でも「正確な死傷者を調査することは困難であった。」)」と考えているからです。にもかかわらず、「死者 7万3884人」と一ケタまでの人数を記載することになれば、この数字を読む人に、犠牲者数がきちんと調査が行われているという誤解を与えることになるのではないかと危惧するからです。この点については、どうお考えでしょうか。

こうしたことを私が考えるのは、そもそも広島、長崎の原爆犠牲について、国がきちんとした調査を行っていないことを問題にしてきたからです。当然のことですが、原爆被害の悲惨さから、残念なことですが、当時の被害の実態は、つかみきれないと思っているからです。

③ 確かに長崎市がいわれる「長崎市原爆資料保存委員会の昭和25年7月発表の報告」には間違いなく「73,884人」という数字が記載されています。ただ、この報告でも「死者のうち、1万7358人は、原爆直後死体検視済みのものである」と書かれており、「73,884人」の具体的根拠は、明記されていません。「長崎市原爆資料保存委員会の昭和25年7月発表の報告」の数字は、当時の住民数に爆心地からの被爆距離による被害率をかけて出されてものに過ぎないのではないでしょうか。もしその他に「73,884人」の具体的根拠(名前が明らかなど)があれば教えてください。

④ 付言すれば、長崎市、長崎県の「原爆被爆者援護事業概要」には、長崎と広島の被害の比較表が掲載されていますが、その比較表では、広島の「人的被災 死者数」は「118,661人」と一ケタまで明示され、出典として「人的被害 S.21.8.10 広島市調査を採用」と書かれています。

しかし、広島市は、広島原爆資料館とともに、1945年末までの死没者数は「14万人±1万人」(国連報告もこの数字)としていますので、私が、広島市に対し「長崎市の『原爆被爆者援護事業概要』に「死者数、118,661人」と記載されていることを指摘したところ、広島市の担当者は、その事実を承知したおらず、その後貴市に電話で「修正」を要請し、その結果「来年から修正する」ことになったと広島市の担当者から報告を受けています。

なお、ご承知のように長崎県の「原爆被爆者援護事業概要」にも、「73,884人」の数字が使われていますので、貴市の回答によって、長崎県にも問い合わせたいと思っています。

以上お尋ねしたいことは4項目ですが、なぜ私がこの数字にこだわるのかと言えば、重ねて言うようですが、一ケタまでの原爆犠牲死者数を記載することは、逆の意味で原爆被害の実態を誤って(きちんと調査ができず正確な人数を把握できないにもかかわらず、あたかも正しく把握しているかのごとくと)伝えることになるのではないか」という問題意識を持っているからです。さらに指摘すれば貴市は「今日の通説になっている」とされていますが、「通説」になったのは、貴市がずっとこの数字を使われ続けてきたからではないでしょうか。

貴市も広島市と同じように、「原爆被爆者動態調査」が行われていると思いますが、広島市においては犠牲者の14万人±1万人のうち、この動態調査で名前が明らかになっている人数は、89,030人(2020年3月末現在)のみです。

私も当然、実態を正確にするため、すべての犠牲者の名前が明らかにされるべきだと考えていますし、その努力を続けるべきだと思っています。しかし、どれだけ努力をしてもその正確な実態を明らかにできないのが原爆被害だというふうに考え、学習会などでは説明してきました。

こうした様々な思いから、あえて今回の質問を行うことにしました。


いのちとうとし

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