「被爆者の森」の植栽と樹名板の取付け
平和大通りの東側(鶴見橋西詰から田中町交差点の間)にある「被爆者の森」で、3本に樹木が新たに植栽されました。
今回の植栽は、昨年11月に「被爆者の森」の樹木に1本が枯れていることを見つけたこと(昨年11月9日のこのブログ「『平和大通り樹木探索の集い・秋編』に参加しました。」(kokoro2016.cocolog-nifty.com/shinkokoro/2020/11/post-dcfdc5.html)で紹介)がきっかけとなり、広島県被団協、広島市原爆被害者の会のみなさんが広島市に要望し実現したものです。
今回は、私が見つけた北海道のライラック(エゾマツの代木)の他に石川県のアスナロ、高知県のシラカシ(ヤナセスギの代木)の3本が新たに植栽されました。
10日午前9時、広島市の委託を受けた造園業者による作業が開始されました。最初は、石川県のアスナロです。もと植わっていた附近が掘り起こされ、新たな肥料や土壌活性剤などによって土壌を改良した後に植樹が行われました。5~6年ものの成木で、高さは約1.7メートルです。穴に土を入れながら水がたっぷりとかけられます。最後に整地をし、支柱を建てて植栽が終了しました。簡単に終わるのかと思っていましたが、丁寧な作業ですので、1時間近く時間がかかりました。
次は、北海道のライラックです。道木のエゾマツは、温暖な広島の気候では育たないということで、代木としてライラックが選ばれましたが、しかし、ライラックも広島の気候に合わないのか、3回ぐらい枯れたようです。広島市の担当者の話では、「今回植える木は、広島の気候に合うようにと温かい土地で生育したライラックを植えることにしています」ということでしたので、造園業者の「どこで育った木ですか」と訊ねてみました。「うちの会社は、九州から気を取り寄せていますので、この木もそこからだと思います」との返事でした。はっきりした場所は確認できませんでしたが、一応温暖な地域で育てられた木のようです。
ライラックも同じような手順で、作業が進みました。この木は、2~3年の成木で樹高は約1メートルとかなり小さめです。
周りの木と同じぐらいに育つまでには、相当の時間がかかりそうですが、何とか広島の気候に慣れて、今度は枯れずに育ってほしいと思います。
3本目は、高知県のシラカシです。高知県の県木ヤナセスギは花粉症の原因になるということで、この木が選ばれたそうです。
シラカシは、枯れた木の大きな切り株が残っていましたので、ショベルカーを使って株を掘り起こすことから作業が始まりました。
株を撤去した後の作業はこれまでと同じです。この木の樹高は、3.5メートルありますので、2脚鳥居型の支柱にもう1本が加わり、しっかりと固定されました。
3本の植栽が終了した時には、ちょうど正午を迎えていました。
新たに植え替えられた3本の樹木が、今度はしっかりとこの場所になじみ、大きく成長することを願っています。
ところで、この時期に植栽するのは、間もなく休眠期を終え、活性期を迎える樹木にとってちょうどよい時期にあたるからだということでした。
今回は、3本の植栽に合わせて、15枚の「樹名板」の取付けが行われました。被爆者の森の樹木には、それぞれ樹名や被爆者団体名を記載した「樹名板」がついています。
長い間に、文字が薄くなり読みにくくなったり、無くなったりした樹名板がいくつかあります。この樹名板についても、復旧・補修の要望が出されていました。
樹名板の取付け作業は、12日の午後1時過ぎから雨が降る中、業者によって行われ、1時間ほどで終了しました。私の出身県島根県の樹名板も、文字が薄くなっており、取り換えられました。
被爆者団体が要望した課題は、「被爆者の森」の整備は、今回の一連の作業で一応終了しました。今後も広島市と被爆者団体が連携して整備され、市民の憩いの場として、又平和学習の場として活用されることが期待されます。
せっかくの植栽でしたが、残念なことに広島市は、この作業についてマスコミに伝達しませんでした。中国新聞が記事にしたのは、たまたま私からの情報によってです。全国の被爆者団体の思いがこもった「被爆者の森」ですが、残念ながらこの存在を知っている人は、多くありません。様々な機会を使って広く周知することが必要だと思っています。その意味で、今回は絶好の機会でした。「平和を強調し、「『平和大通りのにぎわいづくり』という広島市なのに、なぜ?」という疑問が残ります。
いのちとうとし
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