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2021年3月27日 (土)

「厳しい過疎化の現実」

私は、広島市内での単身赴任生活が今年で15年目となる。実家は県北で島根県の県境に近い場所にある。週末はできるだけ帰省しているが、今の時期は積雪の時期も終わり、まだ寒いので田畑の草も伸びず、私にとっては「良い」季節である。

間もなく、稲作の時期が始まる。4月初めには、地域総出で田圃の用水路を整備する。堆積した砂をかき上げて流れを良くする水田づくりの準備だ。

 地区の集落の戸数は次第に減少し、現在11戸となった。そのうち、常時居住しているのは9戸。2戸は普段は空き家で、地域の行事などがあれば帰省して参加されている。一人暮らしはないが、80歳を超えた高齢者夫婦の世帯もある。近年は過疎化に伴い耕作放棄地が目立ち始めた。区画整理事業により広く整備された田圃でも後継ぎがいないため放置されている。

 

人の手が入らなくなった山林や田畑には雑草が生い茂り、野生動物のすみかとなる。私の地区では猪による被害が大きい。

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中央に延びるのは猪の獣道

 以前は田圃の周辺に電気柵を張っていたが、それでは防ぎきれなくなり、最近は鉄製の柵を張り巡らせた。しかし、それでも猪は柵の下を掘り起こし、時には突き破って田圃に侵入する。

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猪によって掘り返された道路法面

 猪に入られると、稲が倒されて収穫ができなくなる。また、畔(あぜ)を掘り返して破壊する。そうなると人力ではどうにもならず、建設業者に依頼して補修工事をすることになる。稲作による収入をはるかに超える費用が必要となっている。昨秋には夜間に走行中、猪と衝突して自動車が壊れた。急に道路わきから飛びだしてきて、跳ね飛ばしたというより,側面にぶつかってこられたという感じであった。避けようがない。

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朝起きてびっくり!畑の作物は全滅

 子どものころから、母や祖母の仕事の手伝いをしながら農作業を見てきた。その母たちも亡くなった今、今度は私が主になってやっていく番となっている。わずかな面積の稲作では収支勘定は全く元が取れないが、それでも可能な限り農業は続けたいと思う。農業は、単に米や野菜を作るだけが目的ではない。水田に水を張ることで土地の保水力を高め、ダム機能、洪水調整の役割を果たす。田畑を管理することで、土地の荒廃を防げる。とは言え、相変わらずの単身赴任で、たまの週末の休みだけでは十分な時間が取れず、稲作づくりは成り立たない。もうしばらくは近所の方々に手助けをいただきながらの農業である。

 近い将来、今の仕事を終えた後は、余暇を農業に使いたい。それが、私の今の夢の一つである。私の代では何とか稲作りをしているが、子どもの代にはどうも望むべくもない。あまり先のことは考えず、自分のできる範囲でやるしかない。

 

私の好きなテレビ番組に「ポツンと一軒家」というのがある。人里離れた辺境の地で暮らす人々を紹介する番組である。紹介をされる人のほとんどが高齢者である。離れて暮らす家族や地域の住民の助けも借りながら、決して便利とは言えない生活ではあるが、しかし自立した生き方をしている。その姿に共感しているのであろう。私自身、歳を取ったら通院はそうするか、日常の買い物はどうしようかなどと今から考えてしまうが、やはり故郷に住み続けると思う。

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もうすぐ桜の季節(昨年春の風景)

 広島県ではちょうど今、各地で自治体選挙が行われている。4月には参議院広島選挙区の再選挙も行われる。これまでの町村合併による役場機能の再編・縮小、学校統廃合、郵政民営化等々は地域の「拠点」をなくし、過疎化に拍車をかけた。産業の都市への集中、効率優先、効率化を推し進めた結果が果たして住民にしあわせをもたらしているのか、だれのための幸せか。立候補者の政策をしっかり聞いて、党利・党略、私利・私欲にとらわれない候補者を選びたい。

<農家の息子>

<編集後記>原文の雰囲気を活かすため、そのままの文体でアップしました。

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