二つの裁判―安保法制違憲訴訟と黒い雨訴訟―傍聴記
昨日は、今年初めてとなった裁判傍聴に行ってきました。
安保法制違憲訴訟
一つは、広島地裁201号法廷で午前10時に開廷した「安保法制違憲訴訟」の第12回口頭弁論です。今回の公判では、主に今後の審理の進め方が協議されました。その中で、原告弁護団が要請していた証人尋問が、次回4月21日の公判で行われることが決まりました。4月21日は、午前10時に開廷し、午前中に5人の原告尋問を行い、午後1時から2人の証人尋問が行われます。
5人の原告は、「①戦争の体験者②被爆者③自衛官の母親④元岩国市長⑤平和教育を行ってきた元教師」とそれぞれ違う立場から人たちが選ばれました。
午後の証人尋問は、次のお二人です。一人は、昨年「12.8不戦の誓いヒロシマ集会」で講演をしていただいた防衛ジャーナリストの半田慈さん。半田さんは、主に「安保法制が成立して以降、さらに危険な道に進んでいる日本の軍事大国化」について証言されます。もちろん、「敵基地攻撃能力」の問題も証言されると思います。
半田さんは、3月27日(土)弁護士会館で広島弁護士会主催して開催される講演会の講師を務められます。
もう一人は、憲法学者の小林武さんです。小林さんは、南山大学、愛知大学大学院で教授を勤められた後、「日米安保問題を考えるとき、沖縄問題が一番重要だ」として、沖縄に居を移し、現在は沖縄大学客員教授として沖縄現地で頑張っておられます。
半田さんは、他の「安保法制違憲訴訟」でも証人とて証言されていますが、小林さんは、広島が初めての証人としての登場です。
まだ法廷が決まっていませんが、多くに人に聞いてほしい証人尋問になると思います。
原告弁護団からは、安保法制の国会審議に参加した小西洋之参議院議員の承認申請も行いましたが、残念ながら採用されませんでした。
最後に、次々回の公判は7月21日に開廷し、この日が最終弁論となり、裁判は終結することになりました。
「黒い雨訴訟」控訴審
午後3時からは、「黒い雨訴訟」の第2回控訴審が開廷されました。コロナ対策で一般傍聴者に用意された傍聴席は、わずかに10席でした。私も、傍聴を希望したのですが、抽選に外れ傍聴することはできませんでしたので、公判終了後行われた「報告会」の様子を簡単に紹介します。
昨日の公判は、昨年11月18日に続く第2回の控訴審です。公判では、原告団事務局長の高東征三の意見陳述、そして弁護団竹森雅泰事務局長の意見陳述が行われました。高東さんの意見陳述の最後に」「国は、広島地裁判決を受け入れず、控訴しました。私たち黒い雨被爆者に残された時間は僅かしかありません。黒い雨被爆者は、1日1日をやっとの思いで生きてきました。原告だけでなく、その行方を見守っている全ての黒い雨被爆者を被爆者として認めてください。」と訴えました。
国は、この期に及んで大量の書証を提出したようですが、それらは、この控訴審で争われている「健康被害が生ずる可能性の有無」に対する主張ではなく、本来は地裁の公判で出されるべき内容の書証です。国が、「地裁では当然国が勝つもの」というおごった訴訟姿勢で地裁の審理に臨んでいたことを、この書証の提出状況が明らかにしています。
こうした国の姿勢に対し、裁判長は、真理を盡したとして「結審」を言い渡し、7月14日が判決日となりました。
2回の公判の進行を考えれば、当然「勝訴判決」が勝ち取ることが出来ると予測できます。
厳しい寒さの中での長い一日でした。
いのちとうとし
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