新たな決意で核のない平和な世界を目指そう・その6 ――次の4ステップは? 後半――
新たな決意で核のない平和な世界を目指そう・その6
――次の4ステップは? 後半――
シリーズの6回目ですが、タイミングとしては、森発言、そしてかつての森批判の一つ、潜水艦事故を取り上げたいのですが、それは機会を改めて、「2040ビジョン」を実現するための次のステップとして、どんな可能性があり得るのか、最後の二つを挙げておきましょう。おまけも付いています。
「2040ビジョン」達成のための具体的ステップ 後半
前半では、①北東アジア非核地帯宣言の創設、そして➁TPNW を既に批准している国をお手本にする 、を紹介しました。さて、三つ目です。
③ 大人が子どもの権利を守り、子どもが大人に厳しい・論理的発言をする助けをする.
人類は、核兵器による惨害を正確に表現できる語彙を持っていません。これは、2004年の平和宣言の一つのテーマでもありました。しかし今や、TPNWの発効によって、その語彙が少し増えることになったのです。このことは、特に子どもたちにとっては素晴らしい贈り物です。
それは、子どもたちの正義感が発する鋭く厳しい、そして論理的な問いを簡潔に表現する助けになるからです。「自分の国は、何故、国際法では違法とされる核兵器を持っているのか」等々、世界のあり方について基本的な問いを大人社会に対して投げ掛ける手助けを、志のある大人たちは率先して行う義務を負っているのではないでしょうか。
子どもたちの明日を保証するためには、グレタ・トゥーンベリさんの主張する環境についての抜本的対策が重要であることは言うまでもありませんし、大坂なおみさんも加わった、BLM運動等も忘れてはなりません。同時に、核兵器による人類滅亡を防ぐことも我々の責任なのです。
この点を短く、多くの人に賛成して貰える形で表現しているのが、2005年の平和宣言です。「未来世代への責務として、私たちはこの真理を、なかんずく「子どもを殺すなかれ」を、国家や宗教を超える人類最優先の公理として確立する必要があります。」です。
手始めとして、子どもたちが発する疑問と提言が、「核抑止論」も含む大人社会の「詭弁」を打ち破る物語を、「想定問答集」としてまとめてみたらどうでしょうか。
④ 市民運動の定番もぬかりなく
これまでの運動の歴史の中には、私たちが作り上げ効果を挙げて来た、そして私たちを支えてくれた、「定番」とでも呼べる多くの活動があります。これらの定番にも、当然登場して貰わなくてはなりません。署名運動、市議会に働き掛けて条例や決議を作るロビー活動、デモや集会、ティーチ・インや学習会、その他の非暴力・直接抵抗市民運動等、リストは尽きません。それに、マイケル・ムーアの「10ポイント・アクション・プラン」も付け加えておきましょう。
マイケル・ムーアの10ポイント・アクション・プラン
- 毎日電話しよう--地方議員・国会議員事務所へ
- 月に1回訪問しよう--地方議員・国会議員事務所に
- 個人で「すぐやる」チームを作ろう--数人で、とにかく何かを始める
- とにかく参加して参加して参加しまくろう!--集会や勉強会には出席し尽そう
- ウィメンズ・マーチは終わらない--女性の力を結集しよう
- 民主党を乗っ取ろう--日本なら野党のどれか
- ブルーステート(民主党が優位の州)のレジスタンス開催に協力しよう--これも野党に力を科すこと
- 選挙に出馬しよう
- 君自身がメディアになるべきだ--聞いたことはすぐ拡散する
- 喜劇の部隊に加わる--政治家は笑われることを嫌う。笑いで政治家を圧倒しよう。
四つと言ったのはその通りなのですが、選挙が近付いていますので、もう一つ大切な点です。
⑤ 政権交代の実現
日本政府にTPNWを批准させる最短の道は、次の選挙で政権を奪取することです。安倍・菅と二代続いた政権が、如何に劣悪なコロナ対策を取って来たのかは、今さら言うまでもありません。命に関わる重大事についての選択を迫られている有権者に取って、次の選挙における答は一つしかありません。政権交代です。野党共闘によって、そのメッセージを明確に打ち出すことがまず必要です。政権交代が実現すれば、新たな地平線が浮び上り、次の行動への道筋も自ら拓けてきます。
その後にどんなシナリオを描けるのかは、皆さんへの「宿題」にしておきましょう。たとえば、中東非核地帯条約や、欧州非核地帯条約等、延長線を引けばすぐ頭に浮ぶものもあります。子どもだけでなく女性を含む被差別の構造や経済的格差等の問題、国連のSDGsを基本に据えた問題意識からの行動計画も関係してくるはずです。TPNWの発効を出発点として、わたくしたちの世界観が広がり、新たなエネルギーが生れ、活発で建設的、そして永続的な行動と成果につながることを期待しています。
答えがないから、「宿題」と言って逃げている訳ではありません。私流の答はありますが、一つには、英語の論文としてまとめてどこかに掲載して貰えたらと考えています。もう一つは、一冊の本にまとめて、きちんとした形で皆さんに読んで頂ければと思っています。その時間を取るために、このブログの記事には、「今夜の夕食」のような項目が混じるかもしれません。何故なのかを前もって説明させて頂きましたので、お許し頂ければ幸いです。
[2021/2/11 イライザ]
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マイケル・ムーア大好き。
「10」笑いで政治家を...→とにかくも最高の武器は笑い。
『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』2015 WhereTo Invade Next
開巻から楽し→国防総省!から呼び出されたマイケル。
「第二次大戦から負け戦ばかりで勝てない😢」と意見を求められ、
ならば海兵隊の代わりに私を送り込めと伊・仏・スロベニア・(もう一国忘れた)
へ突撃!?取材。
スロベニアで→スロベニア語のアルファベットは25文字で
Wがないと知ったマイケル。
「ブッシュ政権の時から?」「いえ、最初から」
(↑これを言いたいがためにスロべニアを選んだか!?)
オリバー・ストーン監督の『ブッシュ』2008 原題→"W."
米で小ブッシュは→ミドルネームのwalkerから→W.で通っていると、
この作品で知ったので笑えました。
そうそう、シェイファーのインク・カートリッジ→かなり前から
Made in Slovenia😲
投稿: 硬い心 | 2021年2月12日 (金) 09時19分
「硬い心」様
コメント有り難う御座いました。菅総理も笑わないし、ユーモアのセンスも今一ですよね。
もっとも、学術会議の委員任命拒否について、「これほど大きな問題になることを予想していたのか」と問われて、「していた」という趣旨の発言をしたときには、「ニンマリ」したという報道がありました。
空恐ろしい反応なのですが、これからの選挙で、やはり政権交代を実現しなくてはならないということでしょう。
投稿: イライザ | 2021年2月15日 (月) 17時36分