2021年元日の平和公園
私のブログは、今年も平和公園の風景からスタートです。
今年の元日は、午前8時15分を平和公園で迎えようと、厳しい寒さの中朝8時自宅を出発しました。
平和大橋の欄干と歩道は、うっすらとですが雪化粧しています。
慰霊碑前の芝生広場は、真っ白になっていました。慰霊碑の上にも雪が少し残っています。
慰霊碑前の人は、2人ほどです。時間が昨年よりは早いとはいえ、全くの様変わりです。平和公園に到着すると最初に慰霊碑に向かって参拝です。
頭を垂ながら、今年の課題はと考えます。第1は、1月22日の核兵器禁止条約の発効を受けての、私たちの運動のあり様です。第2は、絶対に忘れてはならない東京電力福島第1原発爆発事故からちょうど、10周年の節目の年をむかえます。「いまだ福島は終わっていない」ことを忘れず、脱原発と被害者救済の課題を前進させることです。こんなことを頭に浮かべながら、参拝を終えました。
原爆ドームの方に移動しようとするとちょうどビルの谷間から日が昇り始めます。
元安川の対岸から補強工事中の原爆ドームを眺めます。相生橋には、まだ雪が残っています。ちょうどこのあたりに来た時、世界に向けて「ノーモアヒロシマ」を強く訴える「平和の時計塔」のチャイムが鳴り始めました。
供養塔もわずかですが、雪が残っています。
昨年も新たの遺骨が加わったとのこと。名前の分かっている人の遺骨が遺族のもとに帰るのは何時のことでしょうか。そしても身元が不明の7万体ともいわれる遺骨が、安らかに眠ることのできる日は何時になるだろうかとの思いが巡ります。
いったん自宅へ帰ろうと資料館まで戻ると入り口には、1月17日までの休館を知らせる立看板が立てられ、その前の机には、持ち帰り自由の「ヒロシマの原爆被害の概要」をまとめたパンフレットが置かれています。
今のコロナ感染の状況で、本当に18日からは開館できるのだろうかと不安になります。昨年秋の一時期、参観者が入り口で列を作っている様子を何度も目にしましたので、本当にいつから再開するのがベターなのかと考えさせられます。
資料館南側に設置された「地球平和監視時計」を改めて確認します。原爆が投下されてから27,452日、最後の核実験から688日が過ぎたことを示しています。被爆後75年、多くの被爆者がいのちを失っていったことに思いがはせます。そして、688日の日数が、このまま一日ずつ確かに刻まれ、再び0に戻ることがないようにと願わずにはいられません。
いったん自宅に帰り、午後1時前、再び平和公園をめざします。午後1時から慰霊碑横で予定されている被爆ピアノの演奏会「これからも記憶を継ぐ」を聞くためです。被爆2世のピアノ調律師矢川光則さんとその支援者でつくる「ひろしま被爆ピアノ友の会」が企画したコンサートです。矢川さんは、平和公園のアオギリ前で何度かコンサートをされたようですが、慰霊碑前での演奏会は、今回が初めてです。
並んだ被爆ピアノは2台です。下の写真の手前が、1.8キロの地点で被爆した「ミサコのピアノ」、奥が2.6キロで被爆した「カズコのピアノ」です。2台一緒の演奏会も初めてとのことです。
演奏会は、揮毫鳥生春葉さん、横笛鼓谷義幸さんによる書のパフォーマンスで始まりました。書き上がった文字は音楽会のタイトル「これからも記憶を継ぐ」です。
書が立てかけられます。その書の後ろで演奏が始まりました。ピアノとシャンソウの谷本総一郎さんです。
川島浩一さん、勝山由唯さんのピアノの連弾です。もちろん被爆ピアノの演奏会での連弾は初めてのことです。師弟関係のお二人、息があっています。
最後は、名古屋から来られたまほろば遊さんです。まほろばさんは、元宝塚歌劇団で活躍し、現在はシンガーソングライターとして活躍中とのこと。最初に、矢川さんの被爆ピアノによる活動に感動し、自分で作られた絵本「旅するピカドンピアノ」の朗読です。もちろん得意の歌唱もあります。
歌い終えて「原爆で亡くなった方々、そして戦争で亡くなった方々への祈りの気持ちと、その皆さんの想いを伝えていきますね…という決意、今生きている人たちが平和でありますようにと願いを込めて朗読と歌を歌いました」とあいさつ。感動です。
屋外での2時間の演奏会でしたので、まほろばさんが出演する時間には、ずいぶんと観客が少なくなっていたのが残念でした。
様々な思いをそれぞれの形で、平和のための活動をつづける人たちに出会えた今年の元日の平和公園でした。
いのちとうとし
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