核兵器禁止条約が発効―核兵器廃絶への大きな一歩
核兵器禁止条約が、国連で採択されてから3年6カ月、50カ国以上の批准し、1月22日発効しました。条約の発効したことで、核兵器禁止条約は、国際的な法律として効果を持つことになりましたので、核兵器の使用はもちろん、核兵器を違法な兵器とし、開発、実験、製造、備蓄、移譲、及び威嚇としての使用の全てが違法となり、廃絶が義務付けられることになりますから、核兵器廃絶への大きな一歩となること間違いありません。その意義は極めて大きいものがあります。
「核兵器禁止条約発効」に至る道筋の中では、一生をかけて自らの被爆体験を語りながら「核兵器の非人道性」を訴え続けた広島・長崎の被爆者、マーシャル諸島共和国をはじめとする核実験によって被曝者となった人々、核兵器廃絶を願い粘り強く運動を続けてきた市民社会、特に原水禁運動の先駆者の努力があったことを改めて思い起こしたいと思います。
多くの人たちが、同条約の発効を歓迎するアピール活動を行っています。また計画されています。広島でも、昨晩原爆ドーム前で、キャンドルメッセージ「NO NUKES FUTURE! TPNW 2021」(核なき未来を!核兵器禁止条約をスタートに 2021)によるアピールが行われました。2017年7月の国連での採択を目前にした時期から、節目節目で実施されてきた行動で、その都度世界へのヒロシマからのメッセージとなりましたが、今回もインターネットを通じて、世界に発信されました。
私も午後5時からの準備を含め参加しました。ただ今回は、コロナ過ということでキャンドルメッセージと歓迎の声明文を読み上げるだけのイベントなりました。声明文では、「決定的な歴史的意義」と評価し、「核戦争をもたらす危機的状況を世界中から包囲し封じ込める」ことを呼びかけるとともに、核抑止力に頼る日本政府に対し「一刻も早い署名・批准」を強く求めています。
核兵器禁止条約に背を向ける日本政府の姿勢に対し、改めて問いたことがあります。
日本政府は「わが国のアプローチとは異なるものであるから」という訳の分からない理由をあげていますが、本音は「アメリカの核による抑止力に依存する政策を続けたい」ということです。この政策を続ける限り、国連で日本政府が提案する「核廃絶決議」が採択されたとして、政府が枕詞のように言う「核兵器廃絶」は、絶対に実現できません。岸防衛大臣「核保有国が乗れないような条約になっている部分について、有効性に疑問を感じる」としていますが、「有効性に疑問」とは一体何を指しているのか、もっと具体的な言葉で明確にしてほしいと思います。また「仲介の訳を果たす」というのですが、条約を批准しないままで、具体的にどんなことができるというのでしょうか。「核兵器禁止条約の発効」という絶好の機会である今、ぜひ国会の中でもこうした疑問に答える議論を真剣に展開してい欲しいと強く思います。
条約発効後の道筋や課題については、イライザさんが、1月1日のブログをスタートに具体的に提起されています(今後も続く)ので、改めて読み直していただきたいと思います。
原水禁国民会議も条約発効記念イベントとして、今日午前10時から2時間オンライン(URLは「https://youtu.be/9lJFxYBZVYM」)で「「日米韓国際シンポジウム-核兵器禁止条約発効後の課題と展望-」を開催します。日本側のパネリストは、秋葉忠利県原水禁代表委員(原水禁国民会議顧問)です。ご期待ください。今日見逃がした場合も、1月23日以降YouTube「原水禁チャンネル」で見ることができます。
ところで、昨日らの報道で初めて知ったことがあります。批准国が50カ国に達し、核兵器禁止条約の発効が確定した時「条約が発効した日にどんなアピールをするのか」が話し合われましたが、その時議論になったのが「1月22日はどこの時間が基準になるのか」ということでした。多く声は「国連のあるニューヨーク時間だろう」ということで落ち着いたのですが、マスコミによれば「批准国の22日午前0時」に発効するとのことです。国際条約の発効時間が国によって違うことにちょっとびっくりしました。ところで批准していない日本などでの発効時間は、やはりニューヨーク時間なのでしょうかね。
いのちとうとし
<編集後記>今日は、定例の「遊川さんの『ブルーベリー農園』からの便り」の原稿が届いていましたが、遊川さんの了解を得て、内容を変更しました。『ブルーベリー農園』は、明日掲載します。
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