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2020年12月10日 (木)

「基準地震動」が不合理とした大阪地裁判決

12月4日、大阪地裁は「基準地震動」の設定が不合理だとして、関西電力大飯(おおい)原発3・4号機の設置許可の取り消すという判決を下しました。素晴らしい判決です。

基準地震動の意味を書く前に、地震の強さの単位を簡単に説明しておきたいと思います。私たちに馴染みが深いのは、「震度」という言葉だと思います。震度1なら、僕のような鈍感な者には揺れていることが分からないという数字ですが、3以上ならほとんどの人が分かると思います。またマグニチュードというのもありますね。

ガルという、揺れの勢いを示す加速度の単位もあります。原発も含め住宅などでも、○○ガルの基準地震動に耐えられるというように決められています。この数字が大きくなれば、それに耐えられるような措置をしなければならなくなり、費用も掛かります。

この度問題になった大飯原発3・4号機は、856ガルという基準地震動が決められていました。原子力規制委員会がその数字を認め、大飯原発の再稼働にあたっては、それに耐えられるように工事をしたという関西電力の主張を認め、運転の許可を与えていたのです。言っておきますが、実際に実験を行って確認した訳ではありませんし、実験が可能ではありません。

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大飯原発が建設された当時の基準地震動は405ガルで、3・11後に700ガルとなり、18年3月時点で現在の856ガルとなったのです。丈夫になったなあーと思われるかも知れませんが、記憶のあるところでは00年の鳥取西部地震は1584ガル、16年の熊本地震は1740ガル、東日本大震災では2933ガルを記録しています。

ハウスメーカーがどれくらいの地震加速度に耐えるように住宅を作っているかを調べてみますと、三井ホームは4176ガル、住友林業は3406ガルと書いてありました。建築基準法で定められている数値は1500ガルです。

「原発は強固な地盤の上に作られ、大地震にも耐えられる」という意味の宣伝を電力会社などは行いますが、住宅の耐震基準よりも桁が違うほどの弱さなのです。

この度の判決では、「バラツキ」という言葉も問題にされました。同じ断層面積でも様ざまに地震規模はバラついていることを指摘し、平均値だけで評価したことについての原子力規制委員会の判断を「看過しがたい過誤、欠落がある」と厳しく指摘しました。

ちなみに島根原発2号機の再稼働にあたって、中国電力は基準地震動を820ガルとしています。その値になった主な根拠は、島根原発のすぐ南側を東西に走る宍道(しんじ)断層の長さですが、島根原発が建設された当初は、あそこには活断層は無いというのが説明でした。

「無い」と言っていたものが徐々に伸びてゆき、今では約39㌔メートルとしています。活断層というのは人間や植物のように伸びて成長するものなのでしょうか。最近ではこの宍道断層の西側に在る、約37㌔メートルの鳥取沖西部断層と繋がっているという主張をする学者もいます。

木原省治

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