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2020年12月26日 (土)

「生まれた時から被爆者」の出版

母親のおなかの中で原爆に遭った被爆者たちの組織「原爆胎内被爆者全国連絡会」が、被爆75周年の節目に発刊するため準備してきた証言集「生まれた時から被爆者~胎内被爆者の想い、次世代に託すもの」が、12月25日日付で発行されました。

原爆胎内被爆者全国連絡会が、証言集を発行したのは、2015年の「被爆70年に想う」に続き2回目です。私も、連絡会のメンバーで編集委員の一人である岡純児さんから紹介を受け、入手しました。

最も若い被爆者、生まれた時から被爆者と言われている胎内被爆者の証言を集めようと全国に呼びかけ、埼玉、東京、岐阜、長崎、沖縄など広島を含め15都府県から、前回の15編を大きく上回る42編(当初の目標は50編)の体験記が集まっています。うち広島は21人から寄せられています。

原爆投下直後の家族の体験や、病気や差別に苦しんだ自身の半生、核兵器廃絶に向けた活動など、「いのち、くらし、こころ」に何らかの被害を受けている胎内被爆者の生きてきた証が、自由に率直に語られています。

この体験記の冒頭には、胎内被爆者のうちでも、最も若い被爆者と言われている「原爆小頭症被爆者」について書かれた証言5編が掲載されています。多くは、「原爆小頭症被爆者」とその家族を支援してきた人たちの手記ですが、その中に母親戸田ユキエさんの手記「私と娘の被爆体験記」があります。この体験記は、1987年7月頃原爆被害者相談員の会の「ヒバクシャ」第20号に掲載されたものの転載ですが、心を打つ内容です。筆者の戸田さんは、5年前94歳で亡くなられてそうですが、残された娘さんは、74歳となった現在も作業所に通所され、ディサービスを利用されているそうです。

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胎内被爆者は、母親の胎内で被爆した人たちで、広島の場合は1946年5月31日までに生まれた人が、被爆者健康手帳の交付対象となっており、被爆者健康手帳の区分では、4号被爆者となっています。「最も若い被爆者」と言われる胎内被爆者数は、2020年3月末現在全国6879人(うち広島市内は2,422人)で、一年前よりちょうど100人少なくなっています。その内、原爆小頭症手当の受給者は、17人で昨年より1名減っています。

ちなみに被爆者(被爆者健康手帳取得者)全体の数は、2020年3月末現在で全国136,682人(うち広島市44,836人)で、前年から比べると9,162人減少しています。

少し気になりましたので、被爆者全体に占める胎内被爆者()の比率を調べてみました。10年前と比較しようと思ったのですが、手元に12年前(2008年3月末)の資料しかありませんので、この二つを比較してみました。

胎内被爆者が、被爆者全体に占める割合は、12年前は3.5%でしたが、今年3月末では5.4%と1.9%増大しています。胎内被爆者の比率が増大しているのは当然の結果ではありますが、被爆者の高齢化が進む中、胎内被爆者が果たすべき役割への期待は、ますます大きくなっているといえます。

今回の証言集「生まれた時から被爆者~胎内被爆者の想い、次世代に託すもの」の発刊を機に、活動が広がることが期待されます。

いのちとうとし

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