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2020年11月 7日 (土)

広島護国神社被爆大鳥居の額

一昨日、広島城跡の一角に建つ広島護国神社を訪ねました。お参りするためではありません。広島城跡の東側入り口(RCC前)に建っている広島護国神社の被爆大鳥居に架かっている「額」のことを調べたかったからです。

護国神社の被爆大鳥居のことについては、このブログで昨年9月9日と10月17日の2回紹介しています。このブログを書くため、当時私が訪れた時には、下の写真のように、額は修理のため取り外されていました。

19993

その時は、「被爆した額だから修理が必要になったのだろう」と勝手に思い込んでいました。その後しばらく「額」のことは気にも留めていなかったのですが、弁護士会館からの帰りにふと見ると、「額」が掛けられているのに気づきました。最初は、「きれいになったな」と思っていたのですが、よくよく見ると「あまりにも新しすぎる」と疑問を感ずるようになりました。

Dsc_4529_20201106095601

一度護国神社を訪ねて経過を聞いてみようと思っていたのですが、延び延びとなり一昨日の訪問となりました。

社務所を訪ね、「額」のことを訊ねました。しかし「神官のみなさんは会議中で今お答えできる人がいません。名前と電話番号を教えていただければ後で連絡します」とのことでしたので、巫女さんの言葉に甘えて、メモを渡して帰りました。寄り道をしながら、もうすぐ自宅という所まで帰ったところで、携帯電話の呼び出し音が鳴りました。広島護国神社からの電話です。「先ほどお訊ねの額のことですが、前の額が古くなり部品などの落下の危険性があったため平成28年(2016年)7月に新しいものに交換したのです。古い額がどうなったかもお訊ねだったようですが、被爆したものかどうかわからなかったものですから、保存はしていません」との返事です。

私はとんでもない誤解をしていました。昨年、大鳥居横の警備員の方から「修理中」と聞いた時には、すでに新しい額に替わっており、被爆時のものではなかったのです。「額」が新しくなった時期と経過はよくわかりました。しかし、電話での話にはちょっと疑問が残ります。帰宅途上の路上のことですので問い返しはしなかったのですが、架け替えられる以前の額が「被爆したものかどうかわからない」との説明についてです。

昨年10月17日のブログで紹介した2007年の中国新聞に掲載された「1945年10月5日林重男さん撮影の写真」には、「額」が鳥居に残っている様子がはっきりと写っています。

1910171

改めてこの写真が掲載されていた中国新聞記事を検索してみました。「甦る『原爆十景』ドームは選ばず 1947年選定」というタイトルで2007年4月30日に掲載された「編集委員・西本雅実」と署名入りの記事です。この記事は、1947年に「原爆十景」と名付けられた原爆記念物がその後どうなったかを紹介しています。その二番目に「護国神社鳥居上の額」として、経緯が紹介されていますので、少し長いのですが全文紹介します。「広島護国神社の鳥居は、南の爆心地側の額は残ったが、北側の額は吹き飛ばされた。神社は広島市民球場の建設に伴い56年に広島城跡へ移転し、鳥居と額は城の東側に当たる裏御門で現存している」。そして写真のキャプションには「=旧文部省の原爆災害調査団の記録映画班に同行した林重男氏(2002年死去)が45年10月5日撮影」と書かれています。

この記事を読む限り、2016年以前に大鳥居の上にかかっていた額は、被爆したものであることになります。護国神社からの説明を不思議に思うのは当然です。

一昨日、護国神社を訪れたた時、巫女さんから、来訪者の説明用に用意された「被爆後に写された写真」数葉を見せていただきました。そこには額が映った写真もありました。護国神社が、被爆物を大切にしようとされていることはうかがえました。現に現在の境内には、上の写真に写っている石灯籠や狛犬など被爆物が、そのまま移設されています。その護国神社が、なぜ額について「被爆したものかどうかわからない」と説明されたのか疑問が残ります。もちろん今さら護国神社を責めるつもりはありません。しかし、残念ながらまた一つ、貴重の被爆物が失われてしまったのです。

いのちとうとし

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