いったん埋めたてられた海は元に戻らない
世の中にはどう考えても理解が出来ないことというのは、多々あるものですが、僕の中でどうしても「うん」とうなずけないのが、上関原発計画地の海を埋め立てようとする作業です。
いったん埋め立てた後に、上関原発は計画が撤回になったから、「埋め立ては必要ありませんでした」で済む問題ではないのです。埋め立てた海を元に戻すことは不可能です。
もちろん膨大な費用も掛かります。中電にその費用を尋ねたら、「回答は差し控える」という答えが戻ってきました。この時代、まさに時代遅れですが、2012年10月5日に、埋め立てし免許の延長申請をした時の申請書を読むと、埋め立て工事の総額は186億5千万円となっています。
その埋め立て作業、山口県が中電からの海域工事を行う申請を許可したことにより、中電は11月4日から始めようとしました。まずは、現地に出向いた広島からの抗議行動参加者からの11月4日のレポートを読んでみてください。
・今日14時から中電が「ボーリング調査の準備作業」を開始しました。中電は司令船(10人前後乗船)、警戒船、作業お願い船の3隻が中心に動きまわりました。一方、釣りをしながらの監視・抗議をする祝島漁船団が約9隻で待ち構えて対応。
真ん中の船が中電司令船(祝島の家並みや山肌も見える)
中電は16時過ぎまで居ましたが、一切の作業はさせませんでした。マスコミ船も2隻がカメラクルーを載せて動き回ってました。今日は、爽やかな晴天でお日様ポカポカ状態。豊かな自然に囲まれ、心も体もリフレッシュします(中電が来なければ最高だけど・・・)。しかし、西風が強くかなりの白波が立っていました。
・さて、私たち陸上応援部隊は、山口県人を中心に十数名で見守りました。町道の石垣には府中市のメンバーが書いて送ってくれた「みんなの海だ」「原発絶対反対」の大きなバナーを掲げました。
漁船団からも、祝島からもよく見えたはずです。私たちも含めみんなに元気を与えてくれるありがたいバナーです。感謝!感謝! 明日以降も掲げ続けます。
・山口県のテレビは夕方6時過ぎてからのニュースでNHK、山口朝日、テレビ山口が報道してくれました(私の確認した範囲)。山口朝日は、今日の中電前での抗議の街頭宣伝と抗議文提出の場面も報道してくれました。
レポートにあるような状況が、少なくとも4・5・6日の3日間は続きましたが、作業は出来ないでいます。7・8の土日は休み、9日は理由が明らかにしていませんが、中止となっています。
このような攻防は昨年も行われ、昨年は12月に入り「海が荒れる」ということで、この春まで延期するとなっていましたが、春の時点で再び秋以降まで延期となり、現在の状況になったのです。
現地の海域で活動している主に祝島の漁業者の人たちは、当然ですが仕事を休んで参加されているのです。そして船を動かせば燃料費は掛かるのです。
国のエネルギー基本計画では、原発の新増設は認めていないのです。それでも強引に埋め立てを行おうとしていることは、国の指導に反する行為ではないでしょうか。改めていいますが、埋め立てられた海は元に戻すことはできないのです。
上関原発を止めるようにという声を、ぜひ多くの人に伝えてほしいと思います。中国電力への電話・FAXは、次の通りです。
本社地域共創本部:電 話082-544-2854
FAX082-504-7006
上関工事事務所:電 話0820-62-1111
木原省治
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