今、上関原発をめぐる状況は!
埋め立てをしなければ建設できない上関原発、このことは何度もブログなどを含め発信していますが、山口県知事が予定地の海の埋め立て免許の延長を許可して7月で1年になりました。
中国電力は昨年11月から、その前提になる海底の活断層の有無を探るボーリング調査の準備に入る予定でしたが、地元の反対派の人たちを中心にした抗議行動で出来ない状況になっています。昨年末、中国電力は冬場の海は荒れるということで、この春まで延期するとしていました。
そして今年の春になった時点で、こんどは掘削用の機械を運ぶ大型台船が確保できないとして、10月以降に再延期するとしました。やがて10月ですが、中電からは何の発表もありません。何もないまま延長が許可されて、1年2か月を超えるのです。元をただせば、中国電力が免許の申請をしたのは2008年ですから、10年以上も前のことなのです。
免許を許可した山口県知事を含めた幹部といわれる連中の発言、まさに上関町民を含め、県民のことをまったく考えもしていない無責任そのものです。新聞記事からその発言をチェックしてみました。
◎知事
「中電に何らかの考えがあると思う。あらためて話があるのでは」
◎県商工労働部担当者
「再延期の報告後、中電から新たに入った情報はない」
◎県の幹部
「反対派が現場で行動を起こし続けるうちは堂々巡りが続くだろう」
◎県の幹部
「福島の事故後、原発を新増設する大義はもはや薄れている。中電側も国が何らかの判断を下すのを待っているのではないか」
まさにノー天気、無責任、他人事極まりないというか、県民のことを考えて県政を担っているのかと、怒りがこみ上げてきます。この度の埋め立て免許での、工事を終わらせなければならない期限は2023年1月です。残り2年5か月です。
これに対して中電の上関事務所の広報部長は「タイトな状況だが、期間内に完了できるよう鋭意取り組む」と。これまた無責任の極みですし、まさにこれは犯罪です。
中電さん、あと2年5か月で埋め立てが完了すると本気で思っているのですか。いつも言うのですが、とりあえずいったん埋め立て免許を取り消して失効させることで、上関の町民の人たちを安心させてあげることではないでしょうか。海を埋め立てた後になって、「あれはやる必要が無かった」で、海が元に戻るわけがないのですよ。さっさと計画を撤回することですよ。
コロナ禍により4年に一度開催される上関町祝島の伝統行事「神舞(かんまい)」は、来年に延期されました。祝島で毎週月曜日に行われている「島内デモ」も現在は中止されているそうです。そして島での緊急時の医療体制の問題、高齢の方が多いということで、不要不急の来島は遠慮して欲しいという連絡も入っています。
しかし暗い話しだけではありません。休校していた小学校に、来年春には8人の新入生が入るそうです。
木原省治
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