広島県に「原子力災害時などにおける広域避難」受け入れ計画の再検討を要請
昨日広島県原水禁は、原発はごめんだ市民の会などと共に、コロナウイルス感染対策が大きな課題となっていることを受け、広島県知事に対し「『原子力災害時などにおける広域避難』に関する質問及び要請書」を提出しました。
その要請、次のとおりです。要請書を筆者が編集しました。
【質問事項】
1.避難者受け入れ態勢について
①これまで通りの規模で避難者を受け入れには、約5倍の面積が必要となるといった見解もあることから、受入れの施設やスペースの確保についてどのように考えているのか。
②また、避難所数を増やした場合に避難所運営に必要な職員の数も増大するが、その確保をどのように考えているのか。
2.感染症対策について
①感染リスクを下げるため、感染症対策をした避難所を確保することができているのか。
②新型コロナウイルス感染症対策をふまえた「原子力災害時における広域避難に係る避難経由所・避難所運営マニュアル」を作成しているのか。また見直し及び検討をしているのか。
【要請事項】
1.島根原発事故が起こった場合、広島県約17万人の避難者を受け入れる計画になっています。
新型コロナウイルス感染症対策を含めた避難所の確保および運営体制が確立できなければ、現在島根県との間で締結している「原子力災害等における広域避難に関する協定(以下・協定)」の要となっている「避難受け入れの了解」としている前提が崩れることになります。
①原発事故避難者を受け入れる自治体に対して、「新型コロナウイルス対策」を加味した避難者受け入れマニュアルの策定を要請・指示すること。
②受け入れ全自治体の新マニュアルが策定されるまで、現協定を白紙撤回し、策定後改めて協定を締結すること。
③上記、①・②がなされるまで、島根原発2号機の「再稼働」、同3号機の運転開始は認められない旨を、中国電力および関係行政機関に要請すること。
大雨警報対応などで多忙な中でしたが、広島県からは、危機管理監危機管理課の松崎博之参事他2名が出席し、「質問及び要請書」を受け取りました。
松崎参事からは、冒頭に「事前にいただいた文章には、8月7日に回答するように記載されていましたので、ここでお答えするとしたら、一般論としてしかお答えできません」と発言があり、その上での意見のやり取りとなりました。
松崎参事は「この避難計画は、島根県や関係自治体が計画したもの。現在、コロナウイルスを含め感染症対策を作業部会で検討されていると聞いている。主体的には、それぞれの市町が考えること。この計画が明らかにならない段階で、広島県が検討することは考えていない」と現状について説明。
この発言を巡り出席者からは、「現実問題として、コロナ対策が絶対に必要になっているのだから、受け入れ側として、どう対応できるのか、すべきかを検討することが必要ではないか」「政府もその必要性を認めている」「一人当たりの面積一つとっても、相当確保する必要がある」などの意見が出ましたが、県の答えは、最初の発言の域を超えるものではありませんでした。
率直に言って、かみ合った論議となったとは言えません。ただ、「現実の問題としてコロナ対策(面積だけでなく、体温計さや間仕切りなど)はどうしても検討し実施しなければならない課題」の明確です。
最後に私たちから「例えば島根県と協議する場合でも、広島県としての考え方を持つことは絶対に必要なこと。今日の私たちの意見を含めて十分に検討し、8月7日に文章で回答してほしい。その上でさらに議論深めたい」と要望し、1時間余りの話し合いを終えました。
8月7日の回答を受けて、具体的な検討課題を明らかにしたいと思います。
いのちとうとし
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