「被服支廠を未来に活かす会 KICKOFF EVENT」に参加しました
昨日午後1時半からRCC文化センターで、広島陸軍被服支廠の保存をめざす新しい組織「被服支廠を未来に活かす会」(以下、「未来に活かす会」と略)のキックオフエベントが開催されました。「どんな活動をするだろう」と少し関心がありましたので、参加することにしました。
この会は、広島県の「被服支廠1棟保存、3棟解体」の方針が示されたことを受け、「県の方針を撤回させ遺構を存続させるために、内外に訴え発信し、保存と共に有効活用を願う」有志が集まって発足した組織です。
中国新聞の予告記事によれば、コロナウイルス禍の開催なので、先着50名限りとなっていましたので、少し早めに会場に行きました。参加者は50名を超え、廊下を開放しての集いとなりました。
最初に「保存のための募金」が呼びかけられました。「カープのたる募金に倣って、倉庫募金箱を用意しました。共に生きるワンコインです」募金箱は、広島工業大学杉田宗准教授のゼミ生が、200分の一の縮尺で作ったものです。それが、会場を回ります。
広島陸軍被服支廠の保存運動を早くから取り組んできた「旧被服支廠の保全を願う懇談会」の代表中西巌さんから「我々の同士が増えたと喜んでいる。どんなことがあっても残さなければならない。これは私の意見ではなく、亡くなった人たちの声なき声、血のにじむ声です。県は、考えを変えていない。これを変えさせるため一緒に声を届けてください。」と連帯のあいさつ。
続いて、「ひろしま音読の会」の3人による「原爆詩人峠三吉『倉庫の記録』」の朗読。
ひろしま音読の会は、元アナウンサーたちによって2000年に結成。日本語の美しい響きを再発見するとともにヒロシマを語り継ぎ、被爆体験を継承することを活動の柱にしているとのことです。
次は、被爆者切明千枝子さんの証言。今回は会の趣旨に合わせ、自らのからの子ども時代の被服支廠での体験が中心でしたが、後半はやはり被爆体験の話です。一月ほど前に切明さんの話は聞いたばかりですが、やはり何度聞いても胸を打たれる被爆体験談です。
そして最後の「平和は座っていれば来るものではない。必死に守っていかなければ守れるものではない。最近の空気は、戦前の雰囲気に似てきているように感ずる。今の平和があるのは、憲法9条のおかげです。それを変えようとする政治家がおり、ゾクゾクと感じるこの頃です。」の訴えは、90歳の年を感じさせない力強いものでした。
プログラムの4番目は、RCCが被爆40周年に作成した特別番組「瓦礫の中からー広島経済復興史―」のビデオ上映。「未来に活かす会」の代表三宅恭治さんが、ディレクターとして作成した作品でしたが、被爆後の復興に関わった経済人へのインタビューで構成されていました。これまで見てきた「被爆関連番組」とは違う角度から取り上げられた作品で、復興期の歴史を知ることができました。
閉会のあいさつは、会のメンバーの一人久永洪さん。久永さんはかつて被服支廠に製品の包み紙を納入していた株式会社歴清社の相談役。「広島平和都市建設法の第1条には、『この法律は、恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴として、広島市を平和記念都市として建設することを目的とする。』と書かれています。今の広島は、その理念が本当に生かされているでしょうか。被服支廠は、絶対に保存し、世界に平和を訴える象徴の施設として活用されるべきです」とあいさつされました。
「広島市平和都市建設法」がビデオと合わせ2度も登場する集会となりました。「陸軍被服支廠の保存」をめざす集会で、「広島市平和都市建設法」が登場したのは初めてのような気がします。
この集会に参加し、改めて「広島陸軍被服支廠の保存」を求める声の広がりと関心の高さを実感することができました。
今月24日(金)午後1時30分から「旧被服支廠の保全を願う懇談会」主催の講演会が、広島原爆資料館地下メモリアルホールで開催されますので、一人でも多く参加してほしいと思います。
それぞれの組織が、自分たちの得意の分野を生かしながらも連携した動きを作ることによって「広島陸軍被服支廠の全棟保存」を実現させなければなりません。原水禁もその一翼を担いたいと思います。
いのちとうとし
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