ニューアルオープンしたレストハウスに行ってきました
マスコミ報道につられてということではありませんが、昨日リニューアルオープンした「レストハウス」に行ってきました。
第一印象は、「ずいぶんと綺麗になったな」「これが被爆建物?」です。車道を超えて、写真を一枚、正面入り口からの全景をとりました。
建物のすぐ西に説明版があります。写真では、右側街灯の左横にクロっぽく映っています。そこに使われている写真は、被爆前の建物を映したものです。その写真と建物を見比べると、玄関入口両脇にあるアーチ型の窓に、被爆前にはなかった柱のようなものが2本見えます。その時には、「えー、耐震構造にするために変えたのかな」と思ったのですが、帰宅して中国新聞15面の「特集」を掲載された「改修前のレストハウス」の写真にも2本の柱が映っています。今回の改修で加えられてものでないことが分かりました。しかし、「外観は建設当時に近い姿に復元」といわれていましたので、地震対策で仕方のないことだったかも知れませんが、内側に工夫するとかして、外観は当時に近い姿にできなかったのかなと率直に感じました。
西側の壁面を写真に収めようと場所を移動し、壁に近づいてみました。スマホを構えながらよく見ると、西側壁面の真ん中あたりに白っぽく色が違う部分があります。
よく見ると、積み上げられた石の中には、ひびが入っている石もあります。被爆前の外壁ではないか?
気になるものですから、レストハウス内の案内所に行き「被爆前の壁が使われている部分がありますか」と訊ねました。すぐには答えが返ってきませんでしたが、手元にある文書を開いて調べてくださいました。その文書の中の1枚にこう書かれています。
「建設当時の外壁 外壁の一部については、建設当時の外装材をそのまま使用しています。①建設時の人造石(外壁の西面の一部)②建設当時のスクラッチタイル(外面の北面・西面の一部)」
これで理解できました。私が、気になった外壁の部分には、建設当時の外装材が使われていたのです。残念ながら、スクラッチタイルの方は、沢山あり過ぎるのと遠目で、どのタイルかは確認できませんでした。建設当時の外装材が使われている部分は、誰でもすぐ見つけ易いような説明があった方が良いと思います。とここまで書いてちょっと疑問が出てきました。「大正屋呉服店」として建てられたこの建物、その後被爆までは外装は変更されなかったのだろうかということです。というのも私の関心事は、建設当時というよりも被爆時の壁だったかどうかですので。今のところ、それを知るすべはありません。
地下室に移動しました。
地下室に入るのは、リニューアル前も含めて、今回が初めてです。入り口から、他の部分とは違う雰囲気を感じます。柱や壁面など被爆時に近い状態を生かして展示されているからでしょう。壁面の一部を利用して、爆心地から170メートルという近距離にありながら、この地下室にいてただ一人助かった野村英三さんの体験が、本人の日記や絵、戦後の写真などで紹介されています。
この展示板の左隅に「竣工時の地下室の平面図」がありますが、残念なことにその方向が現在の間取りと右に90度ずれていますので、例えば部屋の真ん中にある柱が「平面図のどの柱か?」を見つけることが簡単にできません。平面図があるのですから、現在の展示室にある柱が、平面図のどの柱なのかをわかり易く表示すれば、見た印象が違うように感じました。しかし、ゆっくり見たい部屋です。
その後3階に移動し、旧中島地区に関する展示場を見て回りました。
ジオラマなども設置され、見やすい展示になっています。新たに展示が予定(本年度完成予定が、コロナ禍で次年度になる)されている「平和公園に眠る中島地区の地下遺構」とこの展示が連動すれば、より効果的になるのではないかと思います。
階を移動する途中にも、被爆当時の階段や「天井裏の鉄筋コンクリートの梁」などもガラス越しに見えるように展示されています。せっかくに貴重な展示物ですが、ちょっと気を付けないと見逃がしてしまいそうです。
最後に2階の休憩・喫茶ホールを覗いてみました。一部屋は無料の休憩所になっていますし、喫茶ホールもかなりの席が用意されています。レストハウスが、まさにレストハウスとして機能できるスペースといえます。無料休憩所では、初日でしたが、何組か話を聞いている風景も見ることができました。
駆け足でしたが、レストハウスの見学を終えました。最後にふたたび案内所を訪れ「この施設のパンフレットはないですか」と訊ねたのですが、まだ作られていないようです。資料・展示室としての役割が大きくなった「レストハウス」ですから、パンフレットはどうしても必要だと思います。
いのちとうとし
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