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2020年6月 6日 (土)

ヒロシマとベトナム(その13-2)ー「コロナ禍」と技能実習制度

韓国の雇用許可制に学ぶ

韓国は日本の研修制度をモデルにした受け入れ制度でしたが、日本と同様に人権侵害の問題が起きたため、2000年に「雇用許可制度」に変え、労働「市場補完性」、「均等待遇」、「短期ローテーションの原則」、「受け入れプロセスの透明化」という4つの原則を打ち立てました。

詳細は省きますが、概略は次の内容です。まず、企業が労働市場テストを実施し、韓国人労働者だけでは事業を運営ができないと判断したときはじめて政府に「雇用許可申請」を行うことができます。

そして、外国人は韓国人と同様な待遇をうけるべきとして労働三権の適用、同額の最低賃金、国民年金や健康保険の適用などの「均等待遇」が義務づけられています。そして雇用期間は3年間(再雇用時は1年10か月延長)に限定し、単純労働者の定住化防止を図る「短期ローテーションの原則」です。

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さらに、何よりも「受入れのプロセスが透明性」がなければなりません。韓国でも民間団体が主体となった受入れをしていたときに、日本と同じような問題が発生していました。そこから、民間団体ではなく政府機関が相手国の政府機関と「二国間協定」を締結して実施することに転換したのです。

最近、日本の労働者の処遇の低さや不合理な技能実習制度、偏狭なナショナリズムに基づく移民政策などから、アジアの国々で「働くなら日本よりも韓国、台湾を」という声が高まっています。その背景には、こうした信頼性があるのです。

「コロナ禍」が問いかける地球社会の将来

「コロナ禍」は、経済成長とグローバル化に突き進んできた人間社会に鋭く警告を発しています。「新たな生活様式」とか「ウイズコロナ」とか言われていますが、それはそれで必要なことだと思います。しかし、これまでの延長線上(新自由主義)の下でのそれであるなら、またもや同じ轍を踏むと思えてなりません。

「コロナ禍」は、経済にではなく地球環境と人間の生命に重きをおき、競争と対立ではなく協調と連帯を基底にした国際社会のシステム構築を、私たちに求めていると思います。

2015年9月に開催された「持続可能な開発サミット」で、「我々は、地球を救う機会を持つ最後の世代になるかもしれない」との宣言とともに貧困や格差をなくし、持続可能な社会を実現するための17のゴールと169のターゲットから成る「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(SDGs)が採択されました。「地球上の誰一人として取り残さない」とする2030年を目指した取り組みは、徐々に広がりを見せています。

この度の「コロナ禍」を通し、あらためてSDGsの意義が認識されています。

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17のゴールと169のターゲットは、地球の再生能力を超えた環境負荷の増大による生態系の破壊、頻発する異常気象による巨大災害、所得と資産の著しい格差による貧困の増大などなど、ますます深刻さを増しています。この負の連鎖を断ち切り、地球と人類の持続可能な世界を築くことは、私たち一人ひとりの課題だと思います。それが可能な「最後の世代」である私たちの責務でもあります。

昨年9月、ニューヨークで開催された国連の温暖化対策サミットで演説したスエーデンの高校生グレタ・トゥーンベリさんの「人々は苦しんでいます。人々は死んでいます。生態系は崩壊しつつあります。私たちは、大量絶滅の始まりにいるのです。なのに、あなた方が話すことは、お金のことや、永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり。よく、そんなことが言えますね」との訴えが重なります。

次号(7月5日)からは、「被爆75周年」を迎えたヒロシマ、「解放統一45周年」を迎えたベトナムと、ともに迎えた「節目の年」に当たり、枯葉剤爆弾(エージェント・オレンジ)とその被害について考えてみたいと思います。

(6月5日、あかたつ)

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