新型コロナウイルス断想・その3 ――裸の王様マスク (ハダカノオウサマスク)――
新型コロナウイルス断想・その3
――裸の王様マスク (ハダカノオウサマスク)――
今回、元々意図していたのは、安倍総理のちっぽけなマスクをだらしなく付けている姿がみっともない、もう少しシャキッとしたマスクにして、「こんな格好良いマスクなら、自分もしたい」と思う人が増えるよう、諫言する人はいないのか、という問題提起でした。つまり、あなたは「裸の王様」ですよと言う人が周りにいないのかという疑問を書く積りでした。それもマスクについての進言になりますので、「ハダカノオウサマスク」というタイトルにしてみました。
その前提として、安倍総理が守ってないいくつかの問題点を想定していました。たとえば、
- 布のマスクは、目が粗いのでコロナ対策としては不十分だ。
- 隙間のないように付けないとあまり効果がない。
- そのためには、鼻も顎も覆うくらいの大きさが必要だ。
私の「常識」ですので、今の時点で正確かどうか分りません。念のために、これらの「主張」に根拠があることをネット上の信頼できるサイトで確認したいと考えて、ザっと見てみたのですが、マスクについて大切なことがハッキリと分りました。以下、その報告です。
根拠になったのは、私が一番頼りにしているサイトです。シリコンバレーでITの仕事をしているTomas Pueyoという人が、自分なりのボランティア・チームを作って調査・研究したことを分り易く連載物としてアップしてくれています。今回参照したのは、「Coronavirus: The Basic Dance Steps Everybody Can Follow――Part 2 of Coronavirus: Learning How to Dance」というタイトルです。日本語に訳しておくと、「コロナウイルスーー誰にでもできる基本的なコロナウイルス・コントロール法」そしてそれが「コロナウイルスのコントロール法を学ぶ」の第2部として位置付けられている、ということになります。略して「第2部」と呼ぶことにします。
ここで、英語の「dance」ですが、Pueyo氏は、コロナ危機を収めるために、まずはハンマーでガツンと叩いて、その後は、ダンスをするように緩やかにコントロールをして行くという比喩を使って全ての説明をしていますので、「dance」をそのまま訳すのではなく、機能の部分に注目して「コントロール法」と訳しています。
Pueyo氏はMediumという、オンラインの媒体に、かなりの数の論文を掲載しています。素晴らしいチームに支えられた調査・研究能力には舌を巻いています。プレプリントも含めて主要な医学論文や雑誌、オンラインの出版物などの中から、選りすぐりのものを駆使して、少なくとも私には説得力のある全体像を描いてくれています。その内のいくつかは日本語にも訳されているのですが、今回の論考はまだのようですので、ポイントを掻い摘んで訳しながら説明したいと思います。
「第2部」はかなり長く、内容も多岐にわたりますので、ここでは、マスクの効用だけに絞って要点だけを掲げておきます。Pueyo氏の整理によると、次のような事実が浮び上ります。
- コロナウイルスの感染の仕方は、咳やくしゃみによる飛沫を吸い込むことと、接触が主なものだが、通常の飛沫より小さい、1/100ミリ以下、つまり10μm以下の「マイクロ飛沫」の役割を無視してはいけない。これは歌を歌うだけでも、いや会話をする際にも口から飛んで、軽いために空中にかなり長時間漂い続けて、他者に感染させる元になる。
- これは、NHKスペシャルでも報道されている。
- ビデオでも、布で口を覆うだけで、マイクロ飛沫が減少する様子が分る。実際にどのくらい効果があるのかをイギリス衛生局の医師たちが21人のボランティアによる実験で検証した。その結果がアメリカの国立衛生研究所の管理する「PubMed Central」という文献センターのサイトに掲載された。下のグラフは、その結果をまとめてPueyo氏が作成した。
- 赤がマスクを付けないとき、薄い水色が手作りの布製マスク、濃い水色が不織布マスクで、そのマスクを付けた人が咳をしたときに、外側にどのくらいの量の飛沫が飛ぶのかを飛沫の粒の大きさによって分類したもの。グラフそのものは、マスクの外側で測った飛沫量を示しているが、数字は、マスクをしていないときに比べて、何パーセント飛沫が減ったのかを示している。(クリックすると図が大きくなります)
- 元の論文の結論は「手作りマスクは、ないよりはあった方がましだが、不織布のマスクがない場合の代替物として使用すべき」というものだ。
- ただし、Pueyo氏の結論は「効果がある」で、それには私も賛成だ。手作りマスクを不織布と性能比較することも大切なのだが、マスクなしの場合の飛沫と、手作りマスクのばあいのそれとを比べると明らかに効果があるからだ。「不織布マスクがあれば、その方が機能的に優れているのでそちらを使う、なければ布製の手作りマスクでも立派に役割を果す」と要約するのが、現実的かつ科学的だろう。
明日は、①症状のない場合でもマスクの使用が大切であること、また②マスクの着用の仕方で効果はどう変るのか、そして何パーセントの人がマスクを使用すれば効果があるのかについて報告します。
[2020/5/3 イライザ]
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コメント
新型コロナの特徴として不顕性感染が多く上気道より下気道で増殖がみられ、結果として症状の出ない人でも感染力があり早い段階で肺炎になり易いといわれています。そのため、従来はマスクは患者=咳やくしゃみで飛沫を飛ばす人、でなければ、感染予防の科学的根拠はない=症状がなければ意味がない、とされていた欧米でもマスクを奨励する地域が増えました。ただ、医療従事者が感染防護に着るPPE(個人防護服)でも、着脱の訓練が必要なように、マスクも扱い方が重要で、知事ばかりでなく専門家ですら会見では苦労されていました。
私が知っている福祉施設でもマスクをすると、聴力の衰えている高齢者に対して、より声が大きくなったり、何度も言わなければならなくなったりと、却って飛沫を多く飛ばす結果になるので、当初はマスクを着用しないように指導していましたが、今はマスク着用を基本としています。ただ、そのために十分な教育・指導が行われたとも聞きます。次回のブログにも期待しています。
「工場長」様
コメント有り難う御座いました。
マスクをする習慣のある国や地域とその習慣のないところとでは、考え方が違うのだと思いますが、Pueyo氏は後者を念頭に置いて、マスクの効用を考えているようです。
その結果は、明日、説明したいと思っていますが、「完璧」ではなくても、それなりに効果があるかどうかを判定基準にするという考え方は新鮮でした。
NHKはこの映像を早朝に毎日のように放送してます。注意喚起なんでしょうが。
私は自分が感染しているとして、他者に移さないためにマスクをしてます。
他者の飛沫感染から自分を守るためにはマスクだけでは不十分であり目の保護も必要です。
それに、特別な場所や空間に行かない限り飛沫感染を受ける可能性は低いと思っています。
混み合っている電車やバスの中でも話す人は殆どいなく、ほとんどの人がスマホを見てますし。
昔と比べで今はマスクの使用方法が変わってきてます。昔は風邪をひいた人や学校給食の配膳当番などがマスクをして、自分の口からウイルスや雑菌を飛ばさにために使われていました。自分から他者に移して迷惑をかけない。内から外への対策として。
それが二十年前辺りからマスクの使用目的が変わりました。花粉症の人が多くなったために、花粉が鼻や口に入らないように、外からの異物を防ぐ目的になったと思います。花粉に加えてPM2.5対策として。これらは空中を浮遊しているとても細かなものですから、今のような花粉対策のために目の細かいマスクとなりました。新型インフルエンザが流行したときにも外からの感染を防ぐから必要だと言われ、このときには目からの感染も言われてましたが、今回のコロナ対策では目からの感染の注意喚起はほとんどなかったと思います。医療関係者の感染拡大でやっと目のガードが言われましたが。
昔と違い、マスクは自分を守るものだから、感染者は攻撃してくる厄介な人達になるのでしょうね。だから、感染者の動向はどうあれこの人達も被害者なのに誹謗中傷をするのかもしれません。感染者は映画のゾンビのうように見えるのでしょうね。
コロナウイルスは街中の空中を花粉やPM2.5のように浮遊していないのに、誰もいない郊外でもマスクをしてます。
マスクは、飛沫感染を防ぐでしょうが、目の保護をしてないと意味がなく、ウイルスが空中を浮遊していないのですから、感染拡大の防止は、感染させられるでなく、感染させないのが重要だと思います。
布マスクでも、口から吹き出される唾液に混じったウイルスを防げるなら、感染拡大を防ぐ効果は十分だと思います。
ですが、ガーゼマスクは衛生品ですが、アベノマスクは汚くて不衛生です。検品しても使えるものでは無いですね。
こんなマスクを納入した業者は、衛生品のマスクとして契約したのでしょうから、契約違反になるのではないでしょうか。また普通の企業は異物が混入した可能性があるからと、異物が発見されなくとも自主回収します。納入企業に自主回収させ、契約違反だからと返金させればよいのです。このお金で大学生を救うべきですね。
「やんじ」様
コメント有り難う御座いました。
マスクの使用目的の変遷について、実体験を基にした説明を有り難う御座います。この間、私はマスクはほとんど使わないアメリカで生活していましたので、とても勉強になりました。
また、最低限の衛生基準も満たしていない「物体」を「マスク」と呼んではいけないという御指摘には大賛成です。
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私が知っている福祉施設でもマスクをすると、聴力の衰えている高齢者に対して、より声が大きくなったり、何度も言わなければならなくなったりと、却って飛沫を多く飛ばす結果になるので、当初はマスクを着用しないように指導していましたが、今はマスク着用を基本としています。ただ、そのために十分な教育・指導が行われたとも聞きます。次回のブログにも期待しています。
「工場長」様
コメント有り難う御座いました。
マスクをする習慣のある国や地域とその習慣のないところとでは、考え方が違うのだと思いますが、Pueyo氏は後者を念頭に置いて、マスクの効用を考えているようです。
その結果は、明日、説明したいと思っていますが、「完璧」ではなくても、それなりに効果があるかどうかを判定基準にするという考え方は新鮮でした。
投稿:イライザ 2020年5月 3日 (日) 10時47分
NHKはこの映像を早朝に毎日のように放送してます。注意喚起なんでしょうが。
私は自分が感染しているとして、他者に移さないためにマスクをしてます。
他者の飛沫感染から自分を守るためにはマスクだけでは不十分であり目の保護も必要です。
それに、特別な場所や空間に行かない限り飛沫感染を受ける可能性は低いと思っています。
混み合っている電車やバスの中でも話す人は殆どいなく、ほとんどの人がスマホを見てますし。
昔と比べで今はマスクの使用方法が変わってきてます。昔は風邪をひいた人や学校給食の配膳当番などがマスクをして、自分の口からウイルスや雑菌を飛ばさにために使われていました。自分から他者に移して迷惑をかけない。内から外への対策として。
それが二十年前辺りからマスクの使用目的が変わりました。花粉症の人が多くなったために、花粉が鼻や口に入らないように、外からの異物を防ぐ目的になったと思います。花粉に加えてPM2.5対策として。これらは空中を浮遊しているとても細かなものですから、今のような花粉対策のために目の細かいマスクとなりました。新型インフルエンザが流行したときにも外からの感染を防ぐから必要だと言われ、このときには目からの感染も言われてましたが、今回のコロナ対策では目からの感染の注意喚起はほとんどなかったと思います。医療関係者の感染拡大でやっと目のガードが言われましたが。
昔と違い、マスクは自分を守るものだから、感染者は攻撃してくる厄介な人達になるのでしょうね。だから、感染者の動向はどうあれこの人達も被害者なのに誹謗中傷をするのかもしれません。感染者は映画のゾンビのうように見えるのでしょうね。
コロナウイルスは街中の空中を花粉やPM2.5のように浮遊していないのに、誰もいない郊外でもマスクをしてます。
マスクは、飛沫感染を防ぐでしょうが、目の保護をしてないと意味がなく、ウイルスが空中を浮遊していないのですから、感染拡大の防止は、感染させられるでなく、感染させないのが重要だと思います。
布マスクでも、口から吹き出される唾液に混じったウイルスを防げるなら、感染拡大を防ぐ効果は十分だと思います。
ですが、ガーゼマスクは衛生品ですが、アベノマスクは汚くて不衛生です。検品しても使えるものでは無いですね。
こんなマスクを納入した業者は、衛生品のマスクとして契約したのでしょうから、契約違反になるのではないでしょうか。また普通の企業は異物が混入した可能性があるからと、異物が発見されなくとも自主回収します。納入企業に自主回収させ、契約違反だからと返金させればよいのです。このお金で大学生を救うべきですね。
投稿:やんじ 2020年5月 6日 (水) 11時28分
「やんじ」様
コメント有り難う御座いました。
マスクの使用目的の変遷について、実体験を基にした説明を有り難う御座います。この間、私はマスクはほとんど使わないアメリカで生活していましたので、とても勉強になりました。
また、最低限の衛生基準も満たしていない「物体」を「マスク」と呼んではいけないという御指摘には大賛成です。
投稿:イライザ 2020年5月 6日 (水) 13時21分