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« 4・26チェルノブイリデー | トップページ | 新型コロナウイルス危機・その13 ――PCR検査をしない訳 (1)―― »

2020年4月27日 (月)

新型コロナウイルス危機・その12 ――何のために――

新型コロナウイルス危機・その12

――何のために――

 

ここまでお読み頂いた方には、「何のために」はもうお分りでしょうから、改めて説明するまでもないと思います。でも、形式を整えることも大切ですので、これまでに「疑問」として問題提起してきたことを三つにまとめた上で、答も付けておきましょう。

 

  • 安倍総理は、何故、2月27日に「唐突に」「全国一斉休校」の要請をしたのか。
  • それを受けて、3月2日に、「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」が公表した「新型コロナウイルス感染症対策の見解」 (見解) では、何故、「忖度」と見られても仕方のないような姿勢を示してしまったのか。「忖度」は二つあり、それらと:
    • 10代の若者が感染を広げている。10代の若者が動き回らないことが感染を広げないためには大切だ。[忖度1]
    • 「見解」ではさらなる感染拡大の危機について強調しているにもかかわらず、それが全国的な判断であるべきだという論理には目を向けず、全国的なメッセージとしては、「若者の活動自粛」に限定してしまった。それ故に、「見解」が全国民的な危機感の共有を目指しているようには見えない。[忖度2]
  • 鈴木知事の「休校要請」が高く評価されたのとは対照的に、安倍総理の「休校要請」、つまり「安倍宣言」は厳しい批判の対象になったのは何故なのか。

 

そして、このブログを書いている4月下旬から見ると、「全国一斉休校」が主要トピックだった2月末から3月初めからは、既に1月以上が経っていますし、武漢からのチャーター便が飛んだ1月末からはもう2か月以上です。この間、上記三つの他にさらに多くの疑問が生れ、残っています。たとえば、春節の頃に来日した中国からの観光客の中には感染者はいなかったのだろうか、あるいは、中国、韓国、イタリア、イラン、スペイン、フランス、アメリカでもあれほど多くの感染者が短期間に発見されているということは、それぞれの国のPCR検査能力が高いことを示しているにもかかわらず、何故日本だけは、桁違いに検査数が少ないのか、といったことです。

Photo_20200419212701

(クリックすると大きく、鮮明になります)

1000人当りの検査数。日本は一番下の線です。

その他の国は、イタリア、スペイン、シンガポール、韓国、アメリカです。

 

《疑問に答え得る仮説》

これらの疑問に対する答として、次のような仮説を元に考えてみると、全てが氷解すると思うのですが、如何でしょうか。

  • 2月末の時点、あるいはそれ以前の時点で、感染はかなり広まっていた。政府はそのことを知っていた。
  • その時点での「国」としての最優先事項は、中国の習近平主席の日本訪問実現であり、東京オリンピック・パラリンピックの開催だった。
  • 科学的真実も含めて、自分に都合の良いことは、世間や世界が真実だと認めると、安倍総理は信じていた。 

この中で、(C) は一寸極端なのですが、こうでも書かないと中身が通じないので誇張をしています。しかし、2013年の9月、東京オリンピックが決る最終プレゼンテーションでの安倍総理の言葉を覚えている人なら、命題 (C) に賛成して貰えるのではないでしょうか。

いや、オリンピックの誘致に成功したのですから、命題 (C) が正しいことを世界が証明したと考えても不思議ではありません。

福島の原発事故についてのそのときの安倍総理の言葉は、

  • 「私が安全を保証します。状況はコントロールされています」
  • 「汚染水は福島第一原発の0.3平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされている」
  • 「福島近海でのモニタリング数値は、最大でもWHO(世界保健機関)の飲料水の水質ガイドラインの500分の1だ」
  • 「健康に対する問題はない。今までも、現在も、これからもない」

   ですが、この大きな「嘘」については、2013年に、上智大学教授(当時)、水島弘明さんが分り易くコメントしてくれていますので、URLを貼り付けておきます。

https://news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki/20130908-00027937/

科学的事実さえ自らの意志で変えられると信じている人が、世の中の自分に対する評価も自分の意思で変えられると信じていても、ある意味自然です。となると、「一地方自治体の長などより、自分の評価が高くて当然だ」「自分こそ、常にナンバー・ワンだ」のための行動を取っても不思議ではありません。

そんな人が、オリンピック開催のためには、コロナウイルスの蔓延についての事実を隠しても当然だと考えてもおかしくないでしょう。そもそも、「嘘」によって勝ち取ったオリンピックなのですから、もう一つの「嘘」で開催に漕ぎ着けるのは当然だ、と考えたのかもしれません。

次に、専門家たちが、3月2日の「見解」で、あれほどの「忖度」をしてしまった理由は良く分りませんが、「国益」を守るために、つまりオリンピックの開催を可能にするために必要だからと、「安倍取り巻き官僚」に泣き付かれたのかもしれません。

そして、鈴木知事と安倍総理に対する評価の違いは、前回、22日のブログで説明した通りです。

一応、「疑問」についての答にはなっていると思いますが、もうワン・ステップ先を考えることで、さらに分ってくることがあります。オリンピック実現という目標を達成するには、感染が蔓延していることを隠す必要がありました。そのために取られた手段が、PCR検査数を減らし、その結果、感染者数が多く報告されないよう操作をしたことなのです。

安倍流のデータの無視、存在の否定、廃棄、改竄といった手法の典型なのですが、検査をしなければ感染者数は増えません。でも、「森・加計」事件でのデータ改竄以上に大胆な手法が、そもそもデータそのものを作らないことなのです。それがPCR検査数を「コントロール」することなのですが、科学の基本としては、まずデータがなければ何も始まらないのです。となると、そのデータを集めない、あるいは「集められない」、「集めるべきではない」という説明がどこかに存在しないと、「専門家」の集団としては受け入れられないという気持があったのだと思います。次回は、その「説明」あるいは「言い訳」がどんなものだったのかを取り上げます。

 [2020/4/27 イライザ]

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コメント

これほどのデータの無視、存在の否定、廃棄、改竄を目の当たりにしながら、未だに安倍晋三がトップにいる日本という国が残念を通り越して、不思議です。

ところで、また外れますが、当初から不思議に思っている厚労省のデータがあります。4月26日時点でも、国内事例としてPCR検査で陽性になった人の半数以上が国籍不明になっています。これについては、国会議員からの問い合わせもあったようですが、「国籍は必須項目ではない」としながらも「感染経路を突き止める上でも役立つ情報でもある」ともして、「検討が必要」としたまま、いつまで経っても状況は変わらず、今のところ「手が回らない」ということを理由にしているようですが、どうも私の想像力が追いつきません。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11048.html

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

「データの無視、存在の否定、廃棄、改竄」、それに捏造も加えた方が良いと思いますが、「森・加計」事件と同じ構造が続いています。となると、安倍政権の新型コロナウイルス対策は、赤木俊夫さんの命を賭けた告発との関連でも考えて行かなくてはならないのではないでしょうか。

「国籍不明」についても、おかしいと思っていました。しかし、PCR検査数の少ないことの背後にある情報隠しの体質の一環だと思っていましたので、半ば諦めて、見過ごしていました。でも、やはり「何故なのか」を明らかにしたいですね。

「下々」様

コメント有り難う御座いました。IWJのサイトですが、有料(の価値はありますので、この点は問題ないのですが)かつ、20時から開始でした。文字化されているサイトを見付けましたので、そこから引用します。ただし、ここで上氏が批判しているのは西浦教授の予測です。

さらに上氏は、4月15日に厚労省クラスター対策班の北海道大学・西浦博教授が「行動制限をまったくとらなかった場合は、感染が広がり始めてからおよそ60日でピークを迎え、流行収束までに重篤患者数は約85万人」「約42万人が死亡する」と発表したことを次のように批判しました。

 「このデータが、そもそもPCRをやっていないからわからないはずなんです。西浦先生がどこのデータをもってやられたのか。感染症は、はるか前に発症しているから、10日や20日じゃないですよ。10日から20日って言っているのに、2月に発症しているのに、こんなはずないじゃないですか。本当の数と検査の数の乖離が極めて大きいので、このデータは使えないんです。前提条件が間違っているので、西浦さんの議論は全く何の意味もないんです」

 その上で上氏は「こんなものを根拠にして政策を決めるべきじゃないんです。もう一度立ち止まって考えるべき。1週間遅れたって構わない。政府は『今から10日が勝負』みたいなことを延々言い続けていますから」と訴えました。

どの専門家が信頼できるのか、実名を挙げてリストを作った方が良いのかもしれません。

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