4・26チェルノブイリデー
1986年4月26日、旧ソ連のチェルノブイリで原発事故が発生してから、今日で36年目を迎えます。
広島県原水禁は、翌年の1987年から4月26日をチェルノブイリデーとして、毎年平和公園の原爆慰霊碑前での座込み行動を続け、節目の年にはチェルノブイリの現状を学ぶ講演会を開催し、原発事故被害者への救済と脱原発社会の実現を訴えてきました。
しかし、私たちの訴えも空しく、チェルノブイリ原発事故を教訓とすることなく原発政策を推進してきた日本で、2011年3月11日東京電力福島第1原子力発電所で、チェルブイリ事故と同じレベル7の深刻な事故が発生しました。
私たちは、チェルノブイリ原発事故を、そし広島と被爆者と同じように放射線後障害に苦しみ、将来の健康不安を抱える被害者がいることを決して忘れません。しかし今年は、こうした思いで毎年続けてきた「4・26チェルブイリデー座込み行動」を、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を考慮し、中止することにしました。
広島県原水禁は、座込み行動はできませんが、チェルブイリ原発事故を決して忘れないとの思いと脱原発社会実現のための決意を込め、今日下記のアピールを出しました。このアピールは、安倍首相あてに送付します。
「4・26チェルノブイリデー」アピール
チェルノブイリ原発事故から34年が過ぎました。放射能による人体と環境への深刻な被害は今なお続き、被曝によると見られる分泌系や血液系疾患などの慢性疾患や新生児の先天性疾患が報告され、事故原発から30㎞圏内への立ち入りは厳しく制限され、人々を苦しめ続けています。
一方、「チェルノブイリのような事故は起きない」と宣伝され続けた日本では、9年前の2011年3月11日、福島第一原発においてチェルノブイリと同じレベル7の事故が引き起こされました。
事故を軽く見せたい日本政府は、避難区域の除染で住民の帰還を進めようとしていますが、健康への不安とすでに新たな生活拠点で生活再建が行われていることもあり、帰還は進んでいません。
何より今後数十年はかかると言われる事故処理も、貯蔵プールにあった核燃料の取り出しこそ一部で始まったものの、メルトダウンによって溶け落ちた核燃料の取り出しは全く手つかずの状態です。その上に、溜まり続ける汚染水に困り、今年中にも海洋放出を始めようとする中で、安心して住み続けられる状況には全く至っていないのが現実です。
私たちは、チェルノブイリを、そして福島を、原発事故被害者の痛みを決して忘れてはなりません。それは、「核と人類は共存できない」ということを改めて教えているからです。
安倍政権は、原発に依存してきた歴代の自民党政権の責任を取らないばかりか、多くの国民の反対の声を無視し、再び原発政策を推進し再稼働を強行しています。
原発事故で起こった事実を忘れた時、再び過ちを繰り返すことになります。安全神話の行きつく先に原発事故があったことを決して忘れません。脱原発への道こそ、私たちが歩むべき道であり、すべての原発の再稼働・新増設に反対します。
新たなヒバクシャを作らせないためには、「核絶対否定」の道しかありません。
私たちは、人類史上はじめて原子爆弾の惨禍を被ったヒロシマから訴えます。
◆チェルノブイリ原発事故を忘れてはなりません!
◆福島第一原発のような事故を二度と起こさせてはなりません!
◆原発の再稼働・新増設を許してはなりません!
◆新たなヒバクシャを生み出してはなりません!
◆全ての原発被害者への補償と救済を強く求めます!
◆ノーモアヒバクシャ、ノーモアチェルノブイリ、ノーモアフクシマ
2020年4月26日
原水爆禁止広島県協議会
いのととうとし
[お願い]
この文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。
« 原発で使用された物がフライパンの材料になる日!? | トップページ | 新型コロナウイルス危機・その12 ――何のために―― »
「ニュース」カテゴリの記事
- 加藤友三郎像(2024.09.07)
- ヒロシマとベトナム(その61) ~南シナ海をめぐる動向-5~ (2024.09.05)
- 中国新聞の二つの記事―その1(2024.09.03)
- 久しぶりの参加です。「VIGIL FOR GAZA(ビジルフォーガザ)」(2024.09.02)
- 被爆79周年原水爆禁止世界大会(2024.08.11)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 中国を訪問します。(2024.09.18)
- 広島中電話局慰霊碑(2024.09.17)
- 2024年9月のブルーベリー農園その2(2024.09.15)
- 進徳高等女学校の原爆犠牲者―その3(2024.09.16)
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 最大の「敵」は無関心(2024.09.10)
- 第28回高暮ダム朝鮮人犠牲者追悼碑・碑前祭(2024.09.09)
- 9月の「3の日行動」(2024.09.06)
- ヒロシマとベトナム(その61) ~南シナ海をめぐる動向-5~ (2024.09.05)
« 原発で使用された物がフライパンの材料になる日!? | トップページ | 新型コロナウイルス危機・その12 ――何のために―― »
コメント