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2020年3月 5日 (木)

ヒロシマとベトナム(その 10)

多発する技能実習生に関わる事件、事故

7年前の2013年、江田島市で発生した中国人技能実習生による殺傷事件の報道に、「一体、何があった」と驚きを隠せなかったことを思い出します。皆さんも昨今、技能実習生の失踪や事件・事故に関わる報道に接することが増えたと感じていませんか。

私が暮らす東広島市でも、2015年にミャンマー出身の技能実習生(20歳の女性)が交通事故で死亡。昨年1月にはインドネシア国籍の技能実習生(22歳の青年)が、実習(勤務)中に頭部を挟まれて死亡するという痛ましい事故が起きました。

技能実習生の失踪者 8倍に激増

下のグラフは厚生労働省の「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」、法務省の「年末における在留外国人数ついて」などを基に作成した、2012年から2019年までの技能実習生数と失踪者数の推移です。

Photo_2020030211220110年前に10万8人だった技能実習生は、2019年10月末時点38万3,978人へと3.8倍増えています。

一方、失踪者数は2010年に1,115名だったものが2018年には9,052人と8.1倍。なんと!技能実習生の増加率の2倍以上の激増です。2019年のデータは現時点、まだ公表されていません。そこで、直近5年間の平均伸び率をもとに試算し、推計値を10,943人としました。失踪率も2010年の1.40%から2018年の2.76%へと倍加しています。

下のグラフは広島県内の状況です。

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1%台だった失踪率は2014年に一気に2%台を突破し、変動しつつも2%台後半に近づいています。「ヒロシマとベトナム」(その9)にも書きましたが、私自身、受け入れ企業とのトラブルを抱えていたベトナム籍の技能実習生(女性)の相談を受け、同じベトナム出身の技能実習生を含め会社と話し合いを重ねている最中に、当事者が失踪してしまった苦い経験があります。

それが2014年の失踪人数206人のひとりです。技能実習生の失踪や事故、事件は私たちの身近にあり、地域社会に関わる深刻な問題です。

この数値の背景には、技能実習生の健康や生命、人権に関わる重大な問題が横たわっています。その主な要因は実習環境(労働環境)や実習条件(労働条件)にあります。同時に、地域社会や行政の支援から「孤立」していることも要因として小さくありませし、技能実習制度自体の構造的な問題点も見逃せません。

広島県 技能実習生受け入れ事業所 監督指導事業所の68%で労働法令違反

厚生労働省が「外国人技能実習生雇用事業場の監督指導」を行い、結果を毎年公表しています。昨年8月29日に、広島県内の「平成30年監督指導結果」が広島労働局から公表されました。下のグラフは、毎年の公表データを基に作成した直近5年間の推移です。

003

2018年の広島県内で外国人を雇用している事業所は4,387です。技能実習生を雇用している事業所のうち549事業所を監督指導した結果、374事業所で何らかの労働基準関係法令違反が確認されています。違反率は68.1%、実に3分の2以上に及びます。

この監督指導は外部からの情報提供や実習生からの相談を基に、違反が疑われる事業所を対象に行うもので、外国人を雇用している事業所の12.5%に過ぎません。この数値の陰に数多くの違反事案が埋もれていることは論を待ちません。

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上表は、広島労働局が公表した「主な違反内容」です。設備や作業方法に関する「安全基準」が136事業場で最も多く、労働時間が102事業場、衛生基準が48事業場、労働条件の明示、就業規則などが45事業場と続いています。

問われる市町村の関知と関与

県内すべての市まちに外国籍住民が暮らし、そのほとんどの地域で技能実習生が働いています。その中には、監督指導を受けた事業所、違反是正を指導された事業所があるかも知れません。

しかし、労働現場である地域の労働行政に携わっている市町では殆ど(全くといって良いかも)関与はもちろん関知すらされていません。「人手不足解消」「内外から選ばれるまち」「すべての住民が安心・安全に暮らせるまちづくり」を掲げているにもかかわらずです。もちろん、市町の権限の及ばない国・県の所管であることも関係しますが、もっと自治体が関心を持ち、労働行政の分野で、福祉や人権の分野で、教育や多文化共生の分野で・・・・・、創意と工夫をもった取り組みが求められていると思います。

(2020年3月4日、あかたつ)

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