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2020年3月17日 (火)

広島市議会予算特別委員会傍聴記-その2

午後1時、「経済観光環境」を議題とする予算特別委員会が再開されました。

午後の質疑者は、9人です。6番目に質問者席に座ったのが、西区選出の定野和広議員でした。定野議員の質問項目は3項目ありましたが、その3番目に「Park-PFI方式について」があります。定野議員の持ち時間は、全部で28分です。残り10分になったところで「Park-PFI方式について」の質問が始まりました。

「平和大通りは、東西の平和の軸と言われてきたのに、今度はにぎわいの軸と言われています。二つを重ねていくのはなかなか難しいのではないか」。本筋からの質問です。さらに「ここには、様々な慰霊碑があります。供木運動で寄せられた樹木があります。その隙間を縫ってどこに持っていくのか」。定野議員の指摘の中には、「被爆者の森」はありませんでしたが、重要な問題は提起されています。横道にそれますが、何人かの議員とこの問題を話したのですが、その時「碑」や「供木運動」という言葉はすぐに出るのですが、「被爆者の森」について触れられることは、ほとんどありませんでした。「被爆者の森」の存在があまり知られていないようですが、今回を機に「被爆者の森」が認知されればと思います。そして、例えば全国から訪れた修学旅行のコースに組み込まれ、ここに来ることによって「地元にも被爆者がいる」ことを知るようになれば、それこそ「広島平和回廊」を作ることになるのではないでしょうか。

定野議員の質問に戻ります。「北九州で起ったことですが、このPark-PFI方式で公園を造る際に、そこにあった森鴎外文学記念碑を撤去してカフェを作ってしまった例があります」と、自分が調べた事例を紹介しながら、具体的な質問に移りました。「具体的のどの場所を考えているのか」「上がった収益の使い道は?」「全国でこのような大通りで実施された例は?」などなど。そして最後に「平和大通りはとてもハードルが高い。場所としての意味や歴史をしっかりと踏まえたものにすべきだ」と指摘し、定野議員の質問は終わりました。短い時間でしたが、よく準備された質問だったと思います。

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平和大通りに建つ慰霊碑・県立広島第一高等女学校原爆犠牲者追悼之碑

さて、これらの質問に対する広島市の答弁です。「まだ場所まで特定して考えているわけではありません。具体的なことは、これからです」「収益は、一部または全額、公園整備のために負担させます」「Park-PFI方式での公園整備は、35カ所ありますが、大通りでは名古屋があります」。定野議員が示した「『平和の軸』としての平和大通り」という考え方と「にぎわいづくりのための公園づくり」との関係性についての広島市の考え方は、昨日のブログでも指摘しましたが、「基本計画はこれから作成する」と答えるばかりで、何ら明確なものは示されませんでした。

しかし、この委員会で二人の議員から指摘があったことは、大きな意味があると思います。二人の質問では触れられなかったことですが、私が来年度予算を見て問題だと思っていることがあります。それは「基本計画の策定」の予算と共に「道路となっている緑地部分を都市公園として位置付けるための台帳作成費550万円」が計上されていることです。広島市が言うように「場所も決まっていない、基本計画そのものもどのようにして作るのか定かでない」段階で、しかも木山議員が指摘する「地元との話し合い、合意」を得ること、そして定野議員が指摘する「極めてハードルが高い」をクリアして計画を前に進めるためには、相当な時間と丁寧な合意づくりが必要になるはずです。にもかかわらず、「公園台帳づくり」まで予算化されるとはどういうことでしょうか。

この委員会の広島市の答弁を聞く限り、慎重を進めようとする姿勢を感ずることができませんでした。「にぎわいづくりありき」のように思えます。

1950年の広島平和都市建設構想試案では「平和大通りは、平和公園と共に『市民の平和を希求する心』を表すものとして広島市の平和都市建設の象徴として建設されたものである」としています。「市民の平和を希求する心」を表すために作られた平和大通りの歴史と価値をしっかりと考えて欲しいものです。

12日の予算特別委員会は、全ての質疑を終え、午後4時35分に終了しました。

当初はあまり期待しない傍聴でしたが、収穫を得ることのできた一日となりました。

最後に、傍聴を終えての感想を書こうと思ったのですが、長くなってしまいましたので、明日にします。

いのちとうとし

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