広島修学旅行ガイドブック
先日、「広島修学旅行ガイドブック」という冊子をいただきました。発行元は、広島市経済観光局観光政策部と一般社団法人広島観光連盟となっています。昨年6月に発表された「広島市観光客数について」によると、2018年に訪れた修学旅行生数は32万6000人であり、11年連続で30万人台の水準を確保しているようです。全国各地から修学旅行生を誘致したいという思いで、このガイドブックは作られていることでしょう。
ガイドブックは「平和学習」「民泊体験」「広島体験」「歴史学習」「モデルコース」などから構成されています。
「平和学習」のページを見ると、「広島で原爆や戦争の恐ろしさを知り、平和を願う『ヒロシマの心』を感じることは、未来を担う子どもたちが、改めて平和について考える機会になるはずです」とあり、事前学習・当日・事後学習それぞれの学習のポイントも書かれています。
「モデルコース」のページでは、原爆ドーム、平和記念資料館の見学、平和公園碑めぐり、被爆体験講話等のおすすめタイムスケジュールや、旧日本銀行広島支店などを巡る班別学習モデルコースも示されています。
私は最後まで読み終えた後、広島がかつて軍都だったことを紹介するページがほとんどないことが気になりました。「広島の歴史や文化を学ぶ」モデルコースに広島城が入っていますが、「毛利輝元による築城や、城下町広島の暮らしと文化を学ぶ」という説明があるだけです。大本営が置かれていたことは書かれていません。
また、広島市内最大級の被爆建物である旧陸軍被服支廠に関する記述も一切ありません。被爆当時は旧陸軍の軍服や軍靴を製造していた施設で、爆心地から2キロ以上も離れているのに、原子爆弾の爆風より変形した鉄扉が多く残っています。
平和公園からやや距離があるので、モデルコースとして示すことは難しいのかもしれません。全国各地から訪れる児童生徒に、被爆の実相とあわせて広島が軍都だったことを学べるようにするためにも、掲載することを検討してもらいたいと思います。
(まるちゃん)
[お願い]
この文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。
« アイ女性会議が「旧陸軍被服支廠の全棟保存を求める要望書」を提出 | トップページ | カープとスリランカ野球 »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- ヒロシマとベトナム(その53-3) ~日越外交関係樹立50周年記念訪問―その2-3~ (2023.12.06)
- ヒロシマとベトナム(その53-2) ~日越外交関係樹立50周年記念訪問―その2-2~ (2023.12.05)
- ヒロシマとベトナム(その53-1) ~日越外交関係樹立50周年記念訪問―その2-1~ (2023.12.04)
- ベトナムの歴史(その30-1) ―ベトナム戦争と枯葉剤被害Ⅰ― (2023.11.20)
- 友遠方より来たる(2023.11.22)
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- ヒロシマとベトナム(その53-3) ~日越外交関係樹立50周年記念訪問―その2-3~ (2023.12.06)
- ヒロシマとベトナム(その53-2) ~日越外交関係樹立50周年記念訪問―その2-2~ (2023.12.05)
- ヒロシマとベトナム(その53-1) ~日越外交関係樹立50周年記念訪問―その2-1~ (2023.12.04)
- パレスチナ・イスラエル問題へのつぶやき(2023.12.03)
コメント